有機物
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堆肥より生有機物の必要性 | 有機物多投(過剰)の危険性 | 有機物投入は腐植生成 | 使用方法 |
志田ファーム使用有機物 ワラ モミガラ バガス ケイントップ 作物残渣(病害茎葉があればそれも含む) |
使用目的・・・微生物のエサ が主目的 ・生の有機物はエネルギーの塊 有機物を分解して得る大きなエネルギーを利用する ・根と微生物を支援 有機物をエサとし多くの拮抗微生物を産出させて病気を防ぐ 根の発達を促す ※ *圃場の土着微生物の保護と多様性 腐植生産(副産物) 団粒土生産(副産物) *物理性の改善 *マルチ使用 乾燥防止 根と微生物、表層土壌の保護(生物の保護) |
カス化された堆肥より生有機物の必要性 土づくりといえば完熟堆肥と誰でもがいいます。これまで耕種農業の分野では、好気性微生物の力で有機物を発酵・分解させてきました。腐敗発酵をさせないために何度も何度も切返しをして酸素を補給してつくりあげます。 それでは、完熟堆肥を入れれば何故土つくりになるのか、答えられる農家は微々たるものでほとんどがわからない。 その答えは、土づくりの主役である土壌微生物(菌塊)の補給と腐植効果、多少なりとも肥料成分です。腐植は土の体力・地力となるものです。だから堆肥はよいのです。 有効な有機質とは、土中にて嫌気性分解しない微生物分解が完了したもので、炭素率が6以下であり、メタン硫化水素、炭酸ガス、リグニンなどの有害ガスを発生しないものである、いわれる。 手間をかけて堆肥を作るのは、欠点を排除して、有効有機質に好気性微生物が変態して有機質プラス微生物となったものだと多くの学者・篤農家はいう。 現場のもう一つの常識(常識の非常識)しかしです。多大な労力を使う堆肥発酵の過程で、有機物のもつエネルギー(養分)が酸化と燃焼の過程で熱などとして失われてしまう。 大きな間違いは、炭素率が6以下では土壌病害菌が占有してしまうし、リグニンは地力である腐植の材料となります。現在の微生物技術にはメタン硫化水素、炭酸ガスを出さず二酸化炭素だけ発生させて植物に吸わせることが出来ます。 ご存知のように植物には光と二酸化炭素が光合成をするために不可欠です。 植物(緑色植物)は光のエネルギーを吸収し、二酸化炭素と水から高い化学エネルギーを持つ物質を合成する。この物質が植物体を作るデンフンやセルロースで、この同化作用を光合成です。 せっかく堆肥によって土壌微生物の補給をしても、土壌微生物のエサである有機物が消耗されて、微生物の活性が継続されない。 完熟堆肥の炭素率が*9〜11程度(通常20〜40)しか含有していない。 *(土壌炭素率が10をきると有効菌の不活性、病害菌の活性がおきる。植物の生育不良、土壌体力の低下をおこす。) 世間一般で云われる完熟堆肥は、セルロースなどが完全に分解され、堆肥化の最終目的が炭素や窒素などの生命体の主用循環物質の放出を完了させ残った物質であれば、完熟堆肥の構成要素は土のようなもので、土壌の骨となる、ケイ酸(SiO2)、アルミナ、水酸化鉄がないと推測できます。完熟堆肥生化は有機物のカス化です。 が、堆肥は良いというのは間違った常識であり、非常識である、ことに気付いたほうが得策です。 完熟という言葉に惑わされてはならない。 有機物の完熟と果物の完熟の違い 果物の完熟・・・・・・・成熟への道程 有機物の完熟・・・・・廃熟への道程 多大な労力と時間の見返りが少なく、非省力性、自然エネルギーの消耗活用、微生物の不活性と、大きなムダを払っています。 生有機物のカス化のために、あえて労力と機材、堆積場を使うことは無い。 土づくりの主役は、誰でも思いつく完熟堆肥で、伝統的な技術ですがここにも限界があります。
生有機物の丸ごと活用がはるかに有効 土作りの本当の目的は、物理性、生物性、化学性のバランスの実現あります。 何故有機物を施すのか?を考えてみて欲しい。 土壌微生物は有機物を食べ(分解する)て、その結果植物が必要な栄養分や腐蝕をつくり出しています。 有機物が不足すると土を硬くし、植物がうまく育たない環境になるのです。土を硬くなるのは土壌微生物の活動が無いからです。 1例:有機物を施す→土壌微生物の活性→土を柔くなる(硬盤をも打ち砕く)→植物の根がうまく育たつ、わけです。 土の中の有機物は、活性した微生物により分解されてチッソやリン酸、ケイ酸(SiO2)、アルミナ、水酸化鉄などの養分、その他の有機物に含まれている多くの元素が有効化されます。 その中間分解物質は、土の団粒化を図り、通気性や排水性が改善されます。 有機物は土の@物理性A化学性B生物性を改善する働きがあります。 @物理性とは、土の団粒化による保肥力、保水性、透水性、通気性の向上など 物理性の目的は、保肥力と通気性を実現することです。 保肥力を持った土壌環境を実現し、根への未熟有機物(アンモニア)の接触を極限まで減らし、 団粒構造の本当の目的である土壌と大気とのガス交換を良好にし、 根に酸素、葉に炭酸ガスを円滑に供給されることにあります。 A化学性とは、土壌生物の活動によって養分の供給される 土の中の有機物は、活性した微生物により分解されてチッソやリン酸、ケイ酸(SiO2)、アルミナ、水酸化鉄などの養分、その他の有機物に含まれている多くの元素が有効化されます。 その中間分解物質は、土の団粒化を図り、通気性や排水性が改善されます。 B生物性とは、土壌微生物の働きを活発化して土壌伝染病などを抑えること 土壌微生物は、有機物をご飯に、チッソをおかずにして生存している。 有機物を分解する過程で物理性と化学性に関与して、植物の成長にも大きな影響力を持っている。 土づくりは、主役である土壌微生物の活性させずして語れない。 土壌微生物の活性はエサである生有機物の投与だ。 生有機物を使うと大きいリスクを負うか? 生有機物を使うと硫酸化水素のガス湧きが怖い(モミガラにはガス害がなく、土中水を浄化する)という。 余りにも未熟な有機物は施し方によっては、分解に時間がかかるし,植物に悪影響(根腐れや病害虫の増殖などの大きいリスク)を引き起こすので注意が必要と警告して堆肥化をすすめる人が多い。 だが、自然林で分解しにくい枯れ枝や枯れ木などで根腐れや病害虫の増殖しているであろうか。多種多様の微生物が当たり前に活動してればおきない。 ・生の有機物を分解して得る大きなエネルギーを利用する・生の有機物をエサとし多くの拮抗微生物を産出させて病気を防ぐ リスクの危惧を回避するのがカルス(10数種類の微嫌気性菌)を使い、C/N比20〜40にして土中堆肥化する古くて新しい技術があります。 これによって生命体の主用循環物質の完全再利用が可能になる。ケイ酸なども無機物資材の20〜40%程度(モミガラでゼオライトの7〜8袋分)ぐらいは補給できるようだ。 土中堆肥の2大役割 @土中堆肥に含まれる養分、A分解されてできる安定した腐植土中堆肥の10効果 土中堆肥参照 |
栽培シーズンの 根が働く層 養分を吸う根は土の表層に集まっています。 有機物が良いからと闇雲に多量にぶち込むのは芳しくはない。 まず、根と微生物を支援する立場を常に念頭に入れておきたい。 有機物や肥料の施用は、根の発達しやすい条件、根圏微生物の活動しやすい条件をつくってやることなのです。 森林土壌の形態では 森林の土壌は、表面から順にAo層、A層、B層、C層という層位に分かれている。
自然林の中でも成長がよいところとそうでないところがある。落葉、落枝、枯れ草などの有機物の堆積層が厚いほど、木の成長は悪い。落葉、落枝などの有機物が良いからといっても、堆積が厚すぎると植物の成長を妨げることに注意しなければならない。土にも能力がある。土の(土壌生物)分解能力の限界を超えた投入は何ものもよくない。 粗大有機物の投入のさいは土の重さ、仮比重に心配りしなければいけない。軽い粗大有機物は土壌を軽くする。軽い土壌での植物の生育は悪くなりやすい。※土壌構造:土壌の粒子は集まって団粒などの構造を形成する。 (1)根が十分伸長し、吸収活動できる土壌 A層で水・養分の吸収を行う。 (2)根の伸長、活動を妨げない土壌のやわらかさ A層の団粒構造の発達がよくやわらかい土壌 (3)成育に必要な水分、養分を供給できること 無肥料栽培は森林と同様に養分を天然供給に依存するので、その供給力(過少、過大)に影響される ☆up有機物投入は腐植生成 有機物の投入の目的は、根の働きを引き出す孔隙率と土壌三分相や腐植の生成と土壌微生物の活性にある。(水分、養分の天然供給と備蓄 炭素)腐植5%を維持したい。 根は腸壁(吸収)、土が胃腸(消化・分解) 呼吸作用をしている根は腸壁(吸収)にあたり、土が胃腸(消化・分解)です。 この大切な根を順調に伸張させるためには、その培地である土が根の伸張しやすい場所であることが必須になってきます。つまり、消化できる土、吸収できる根がなければ作物は育ちません。ここで働いているのが腐植や土壌微生物です。 根の働きを引き出す孔隙率と土壌三分相
*土壌腐植が4%以上になると孔隙率60%となる 【※注意】腐植を投入有機物で全て賄う、という思いは危険です。 |
使用方法 マルチング&土中堆肥 有機物は出来るだけ、地表・表層に絶え間なくあるように管理する (有機物のC/N比が15〜20の土壌環境では土壌病害は発生しない) 植物があるときは敷きわらなど入れますが、オフシーズンになると裸地にしておくことが多い。 が、自然の森の中で、晩秋になると木々が落葉して、地面に堆積すように地表を保護(冬は布団、 夏は保冷のかわりをする)し、土は表層(上)から作られていく。 また、地表を乾燥させないように心がける。 私の場合は、モミガラを薄くても蒔いておく。 ある人は、地表に残っている有機物があるので時々散水施設で散水している。 そんなことをしたらモグラが出て困る、という人がいる。モグラは固い層と柔らかい層の境を走る。 団粒化を勧めて固い層と柔らかい層の境を深くすればよい。 ワラ 当地では思うように手に入らない。 10aで少なくても30a分欲しいのだが10a分程度しか手に入れられない。春、畝にひく。 極上ボカシより大きい団粒をつくる。 ワラで地温1℃下げるのには2〜5cmでは足りない。10cm前後敷かなければ効果はない。 普通畑で2〜5cmのワラを使うのなら土作りに漉き込んだほうがよい。 地温1℃は気温3℃に相当する。 <成分値>(%) (日本標準飼料成分表より抜粋)
モミガラ 珪酸資材として一役 腐熟しにくいモミガラは生のまま田んぼに入れても稲ワラと違ってガス害が出にくいのです。それにモミガラは珪酸分を多く含んでいるので、珪酸をたくさん必要とする稲は勿論作物を健康に生育させる働きがあります。 土つくりにも一役 腐熟しにくいといっても圃場にいるたくさんの菌たちにゆっくり分解され土を良くしてくれます(膨軟性、保水・浸透性、保肥力、腐植など)。 生のモミガラは汚れた土壌を浄化してくれる。 モミガラは気相を増やす。土壌三相を見て投入するが、最低200kg程度入れる。 9月2トンダンプ3〜4台運び入れておく。 @秋〜冬、畝間に2〜3m間隔で一輪車1杯づつ入れ、カルスNC−R(30kg/10a)を撒き チッソを加えておく。 土中堆肥にして根が水を上げるまで(普通畑の場合は収穫後播種定植までの間)に土中 分解させてしまえば2トンでも3トンでも構わない。 Aワラ消耗後の補充にも同じ方法で使う。残ったら次年度廻し。 春以降の使用は1トン程度に抑える。 *注意:ワラ(比重0.2)やモミガラ(比重0.2〜0.3)を投入しただけ土の比重は軽くなる。 比重を1.0に保つためには、モミガラを1トン投入したらゼオライトを1000kg入れる必要がある。
バガス(サトウキビの根元を入れた搾り粕 紙漉きや飼料にも使う。わらよりも効果大と言うが?) ワラの不足を補うために使用。 ケイントップ(さとうきびの搾り粕で、枝葉部分を細断・乾燥、わらよりも効果大と言うが?) ワラの不足を補うために使用。 バガス、ケイントップは糖分があるらしくてアリが多い。積んでおくと巣を作る。 <成分値>(%) (日本標準飼料成分表より抜粋)
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