その2

Mont St-Michel〜Honfleur

一人旅の時は最寄りの国鉄駅ポントルソンから
サイクリングしたり歩いたりもした道だけど今回は車でスイスイ。
そうすると不思議な物であの姿が見えてくる瞬間も
そんなに新鮮な感動を呼ばないのである。
そう、それは、あの海の中の(でもないけれど)お城のような修道院
ノルマンディーとブルターニュのちょうど境目にあるモン・サン・ミシェル Mont St-Michel.
当時「今では潮がどんどん引いてしまって
その昔のように海の中にすっぽりと浮かんだ状態というのはもう見られない」
とか聞いたんだけど実際今現在はどの程度なんだろう。
あの時もすぐ下の駐車場はいつまでも止めていられそうだったし。
シテのちょっとした展望台から周りの海を眺めると
潮が音をたててザーッ、クチュクチュッと引いていく姿が見えた。
なかなか速い。だからその逆はきっと怖いんだろうな。

ちょっと解説を読むと
8世紀の初め、アブランシュの司教であった聖オペールが夢の中で
聖ミッシェルSt-Michelの「この地に修道院を建てよ」とのお告げを聞いたことにより造られた
とある。
その有名な天使ミカエルさんは金ぴかの姿をして塔のトップに剣を抜いて立っておられる。
情けないことに実際この目で見た記憶はないのだけど手元のポストカードが物語ってる。



Mont St-Michel たまたまこの日も曇天だった。
でもここは、鉛色の空の方が似合うと思う



いよいよ第二の目的地オンフルールへ到着。
中学生の時『ジョイフル』という旅雑誌で
印象派の画家に愛されたノルマンディーの小さな町というタイトルで見たその時から
いつかぜひ訪れてみたいと願っていた町。
とっても小さい一角なんだけど、ここの旧港がいいんです。
ヨットの帆と縦長の家がひしめきあった古い街並み。
近隣の町は戦争で破壊されたんだけど、ここは古いまま(と聞いた記憶が)。
夕暮れ時のロマンチックなこと。
期待は全然裏切られず、むしろそれ以上で満足の時。
こんな町はわけてもゆっくりお散歩したい。




のんびり旧港の周りを散歩してとっぷり日が暮れた頃、
お腹もちょうど空いてきて港に面したレストランに行ってみる。
とってもおいしそうな香りにつられて入ったはいいけれど、
中はどうやらしっかり大人モード。
それも静かな。キャンドルでひそひそと食べてるような。
食べたいけれど気が引けた私達は外のテラスでいただくことにした。
3月の夜って実はとっても肌寒い。
「中でもいいんだよ」といってくれたけれど
やっぱりせっかくの雰囲気を息子が騒いで壊すと申し訳ない。
それに周りに神経使わずに食べられるのは何にも増して有り難い事と
そのまま席につく。
とはいうものの、くどいけどやっぱり寒い。
コートを着たまま何の因果でと思いつつ。
でも先ず出てきたスープが美味しいじゃない。
オランダじゃなかなかお目にかかれないお味に感激する。
ハルはワインも美味しいと言ってるし
もう何食べたか忘れちゃったけど
ホワイトソースのお味がとっても上品で美味しかったのを記憶してる。
寒くても美味しい料理に会話もはずみ2歳児もぐずらず楽しいひとときだった。



一泊して翌朝この教会らしきもの近くのマーケットをひやかしながら、
あんまり画廊が多いので、ついつい絵に目がいってしまい何軒か入ってみることにする。
最初は買う気もなかったのについステファニーという方の作品が気に入って購入してしまう。

今、リビングに飾ってあるその絵はじっと見つめると懐かしい思いがふつふつと湧いてきて
トリップさせてくれる貴重な逃避アイテムになっている。

そんなわけで駆け足旅行これでお終い。
ドライバーの方にはさぞかしハードだったことでしょう。
ナビする方も疲れましたとサ。ちょっと寝ちゃってごめんナ。


BACK TOP NEXT BBS