第13号:99年12月5日

11月議会も残すところあと1日になりました。
最終日は12月7日(水)です。傍聴をどうぞ。


最終日は、98年度の決算を承認するかどうかの討論、職員や議員の期末手当カットなどの議案でヒートアップしそうです。
栗原は、決算承認についての反対討論をする予定。

 今号のお知らせはこれ。みたいところをクリックしてね。
インチキくさいぞ。小池市長のこの説明は。




三島市の財政はよくなる(?)
インチキくさいぞ。小池市長のこの説明は。

 小池市長はある議員の一般質問に答えて「三島市の財政はこんなによくなります」と答えた。それも、突如として大きなグラフを取り出し、そのグラフを使って説明する大パフォーマンス。議員一同、唖然。(下のグラフがその説明に使われたもののひとつ)

ほら、このとおり。と説明されたグラフ。
毎年、20億円の借金を重ねたとしても。

〈栗原の解説〉
 これは、「公債費比率」が、将来どのようになるかを示したものです。「公債費比率」というのは、財政の様子を見るときによく使われる数字です。公債費(借金の返済額です)が、市税収入などの主な財源(ややこしい言葉ですが「標準財政規模」といいます)に占める割合を%で示したものです。高い程借金に拘束されてます。
 将来的にこんなに下がる。とビジュアルに示そうということなんでしょうが。

 いきなりこういうのを出してきたのですが、でもその前提がわかりません。特に、将来の税収入の見込みをどのようにたてたかが重要。このグラフは適正なのかどうか疑問。これ、かなりきたないやり方ですね。そこで議員側は、そのデータの詳細の提出を求めることになりました。その結果、次のことがわかりました。

そんなのあり?
税収がこんなに増えていくなんて

下の表は、市の財政課がグラフの根拠のひとつとして出したデータの一部です。三島市の標準財政規模が将来どうなるかを示したものです。これによると、年ごとに約4億円ずつ大きくなる設定がされてます。でも、これおかしいですよね。このご時世、税収がそんなに増えるんでしょうか?
年度(H)
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
標準財政規模
(約・億円)
200
203
206
210
214
218
222
225
229
233
237
241
 

むしろ税収は確実に減るんじゃないでしょうか?

 三島市にとってみると、景気の落ち込みによる税収の減に加え、少子高齢化は深刻な問題です。下のグラフをご参照ください。
 納税を主に担っている働きざかりのみなさんの人口が減って行くんです。それなのになぜ、税収が大きく増えると推計できんでしょう。
 特に三島市は個人市民税のシェアが高く、その影響をもろに受けることになる筈です。という訳で栗原は一般質問の中でその疑問を突きつけました。市の設定が正しいのか、それとも栗原の疑問が正しいのか、じっくり検証しようということになってます。
市の職員のみなさん、ちゃんと資料をだしてね。

コーホート法による三島市の人口構成の推計

国勢調査の統計をもとに推計しました





栗原の一般質問と、その答弁趣旨
99年12月3日

 なんでちゃんと答えてくれないんだろう。前もって「これこれしかじか、質問しますから」とちゃんと説明してあるのに。50分間しか時間がないのに。ダラダラと余計な答弁で時間稼ぎの意図はアリアリ。


プライバシー保護条例への考えと住民票の閲覧について

事業者による住民票の大量閲覧で、市民のプライバシー(氏名・性別・生年月日・住所)が根こそぎ書き取られているのが実態。詳しくは市議会速報第10号「あなたのプライバシーがこんなに狙われいる」を見て下さい。その調査結果をもとに、次のことを小池市長に質問しました。


栗原の質問
答弁の趣旨
一回目 市長は住民票の大量閲覧の実態について
どのように受け止めてるか?
市民のプライバシーの保護に苦慮している。大量閲覧を禁止するよう法改正を求めている。
個人情報保護条例案は自己情報のコントロール
権について定めるものであるか?
条例案に向けた要綱案では自己情報のコントロール権を保障
しようという立場。しかし住民票閲覧については、住民基本台帳
法の規定に従う。
住民票の閲覧請求を受け入れるかどうかは市長の裁量権。小池市長はこの裁量権を市民のプライバシー
保護のために使うのか?それとも事業者の営利のために使うのか?どっち?
答弁せず
全国の自治体の中には、事業者による大量閲覧を受け入れて
いない市のある。三島市も同様に
現在、閲覧を受け入れる曜日を限定したり、一回で閲きる件数を200件(人)までとするなどの取扱要領で一定の制約を設けている。取り扱い要領の改正は今後検討したい。
二回目 情けない答弁だ。法改正されなくても現行法の中で大量閲覧を禁止することは可能。確認したいがどうか?
福山市ではそのようにやっている
大量閲覧を禁止することについて、市にとって何か不都合があるか?答弁せず


ガイドヘルプサービスと障害者プランについて

既に策定されている「障害者プラン」の進め方について、市は三島市障害者施策推進協議会に諮問をした。
その諮問の内容は、重点施策の進め方など実に174項目に及ぶ。こんなにたくさんのことが諮問されても、協議会はこれに応じられるのだろうか。また、こんな諮問ってアリ?今年になって中間答申された。
 ガイドヘルプサービスは、現在、視覚障害者の外出をサポートする制度としてスタートしている。この制度の改善も必要だ。計画では、全身性障害者への対応を98年度に計画することに決まっている。それも諮問された内容のひとつ。だが、はたして検討されたのか。

栗原の質問
答弁の趣旨

回目
ガイドヘルプサービスについての答申の内容はどうなっている? 中間答申は重点項目についてのみのもの。
ガイドヘルプサービスについては検討されていない
「一括諮問」というのは無責任ではないか?市の庁内検討会と協力・連携しながらやっている。
総合福祉センターの建設、乳幼児療育センター
の建設など「箱モノ」は凍結・中止などの見直しが
必要ではないか?
新新総合計画の中で検討していく

回目
総合福祉センター・乳幼児療育センターなど箱モノ
建設についての市長の考えを示してほしい。
98年度の決算は市の厳しい財政状況を示した。
特に、一般財源のうち事業費に充てられた額(27億円)よりも
借金返済にまわした額(32億円)のほうが大きい。これは初めて
のこと。今後も続く。この決算に照らし、凍結・見直しを求めたいが?
借金返済額と事業費の関係は「逆転現象」として認識し、
市民にも説明している。先ほどの答弁のとおり、総合計画
の見直し作業の中で着手するかどうか具体的に検討していく

回目
総合計画の中で検討していくと、「頭出し・先送り」(*)
という形になりがちだ。計画としていつまでも引きずっていくと
それだけで事務費や調査費などがかかりムダである。他の計画
にも不可能と思える事業がいっぱいある。この時代、市長は「やら
ない」という意志表示が必要では?
(自民党の議員から「いいこと言うなあ」というヤジあり)
したがって、推進協議会に「進め方」についてを諮問するのは無責
任。不可能なことは諮問すべきでない。
答弁なし

回目
福祉の充実は「箱づくり」ではなく、権利を保障するシズテムをつくる
ことだ。その意味でガイドヘルパー制度を全身性障害をもつ市民をも
対象としたものに拡大すべきでは?
市としてはその方向で考えている

注;頭出し・先送りとは
 総合計画の五カ年計画によく用いられる手法。行政内部で用いられる用語。できそうないも事業を、「できない」とすると対市民との関係上支障があるので5年先の事業などとして事業費の一部を計画にのせておく。一年経て再び、以降5カ年の計画をたてるが(ローリングという)このときにまた5年先の事業として計画にのせられる。したがってこの事業は何年たってもつねに「5年先の事業」となるのだ。これを「頭出し・先送り」という。
 こうしたことをやることによって、選挙のとき、特に市長選挙では集票効果があるとされる。