第38号:2000年10月29日

秋も深まってきました。いかがお過ごしですか。
今号は、今市議会に提案されている環境基本条例案
についてのお知らせです。


環境基本条例案が総務委員会で審議されています

都市景観条例が建設経済委員会で審議されています


どちらも11月市議会で採決される予定です。
なお、栗原はこれらの両委員会に所属していませんので、直接に審議に加われません。
でも、見守っていきます。当然、採決には加わります。


私は両条例案に対しこのように考えます。

環境基本条例案について

(条例案は前号でご覧になれます)

公害を無くし、自然環境を守り育てていくための頂点となる条例です

それが環境基本条例です。三島市にとってぜひとも必要!
この「基本」となる条例をもとにして、
大気や水質、土壌汚染、騒音、悪臭などのいろいろな公害から守り、
そしてよりよい環境をつくっていくためのルールやしくみ、そして計画が求められます。
そのような広がりをもつことができる基本条例でなければなりません。

たとえば産業廃棄物についても課題がいっぱいです
この写真見てください。産廃の違法な埋め立て個所が大雨によって大規模に流出した事故現場です。人身事故に至らなかったのは不幸中の幸いでした。(沢地川上流部)
写真では道のように見えますが、奥の山から手前のブルドーザーのところまで埋め立てた産廃が木々をなぎ倒して流れ出、今では道のようにされているのです。
この事故に限らず、産廃については黒煙対策、ダイオキシン、悪臭対策などなど課題がいっぱいです。
産廃は県が直接の監督権者となってますが、むしろ住民生活に密着した市の対応が重要。
環境基本条例を頂点にそうした条例や規則などを創っていくことが求められます。

いま提案されている条例案は・・

もっとこうしたほうがいい

基本的施策として「環境基本計画」を定めることとされています。
でも、これだと「基本的施策は何か」ということがわかりません。
ですから、「基本的政策」として次のようなことを掲げるべきだと思います

大気、水質など公害の防止や生活環境の保全を図る
野生生物の生息を守り、生態系の確保する
水辺の環境の適正な保全と地下水の涵養を図る
廃棄物の減量化、資源の循環利用、エネルギーの効率的利用を図る
地球温暖化防止、地球環境の保全に取り組む
その他市長が必要と認めたこと




都市景観条例案について

(条例案は前号でご覧になれます)

建築や看板などから、たとえば富士山の見える景観を守ります

と言っても、強制力はありません。
なぜなら、都市計画法や建築基準法で建設が可能なものに対し、
それを条例で禁止することはできないからです。

でもいろんな工夫で規制に近いことはできます。

例えば、下の写真を見てください
おなじみの小浜池。(楽寿園)
市民の財産であり、天然記念物でもある。この景観を、大きく損ねて
いる後ろの白い建物は市民文化会館です。見る人をして「あれって
倉庫?」と思わせるのです。実は、写真には写ってませんがこのすぐ
左側に大きなマンションが建っています。目立ってしまうので「高さ制
限」の行政指導にもかかわらず、建設されてしまいました。

もしも仮に、これらの建物が無かったことを想像してみてください。
これだけの景観は維持できるのです。
今後、さらにマンションなどが建設されることもあり得ます。そのとき、ど
のようにこの景観が守れるのでしょうか。

いま提案されている条例案は・・

もっとこうしたほうがいい

行政指導に従わない事業者に対する市の監督権限や、
その事業者の名前の公表ができることを条例規定するべきだと思います。


建築物や看板を建てようとする事業者に対し、
たとえば「高さをもっと低くしてほしい」「そこは看板を建てないでほしい」と注文をつけ
それに従わせようとすることを「行政指導」と言います。

この「行政指導」は強制力をもたないうえ、
「指導に従わないことをもって不利益な扱いをしてはならない」という原則が適用されます。
(行政手続法・行政手続条例)

でも、この指導に従わない事業者の名前を公表することは合法との解釈があります。
ですから、そのようにして「規制」に近い指導をすることはできると考えます。