第75号:2002年12月10日(火)

一般質問が終わりました

いろんな議論がありましたが、私の質問と、それに対する答弁は下にあります。
要旨の抜粋なので不正確な点もありますが。



質問者
内容
12月4日
宮沢正美
1 NPO・ボランティア団体の支援について
2 通学合宿について
志賀健治
1 電子入札への取り組みについて
2 「ことばの教室」について
土屋俊博
1 東海地震対策について
2 街中がせせらぎ事業について
下山一美
1 不況下で困難に直面する市民の暮らしを守る三島市のセーフティーネット
は機能しているか。
2 境川の洪水被害対策について
12月5日
細井要
1 資源循環の取り組みについて
金子正毅
1 市長は今こそ「就学前医療費無料化」の決断を
2 プライバシーに配慮し、就学援助制度の適切な運用を
鈴木正男
1 「食」の安全性について
2 道路後退線について
栗原一郎
1 障害者福祉と支援費制度
2 山麓の雑木林を守っていくことについて
12月6日
石田美代子
1 安心して暮らせる福祉制度について
2 子どもを大切にする保育園の運営について
木内光夫
1 認可外保育園の支援について
2 交通安全対策について
風間正志
1 将来の財政を支えるものは
2 湧水の復活に更なる努力を
12月9日
仁杉秀夫
1 自主防災会補助金の不正受給を許した市の対応
2 台風21号による境川流域長伏地区住民の避難を排水機場の能力
石渡光一
1 自立できるまち≠目指して
2 三島の教育改革の行方と部活動について
3 福祉向上のための「評価制度」導入について
志村肇
1 改めて広域合併を問う
2 三島の教育改革を
3 フォルマバレー構想に関連して
4 住民基本台帳ネットワーク問題のその後



私の質問の主旨と答弁の趣旨
「障害者福祉」と支援費制度

【栗原の質問】
来年度から支援費制度が開始される。「『措置』から『契約』へ」がキーワードになっているが、その意義は障害をもつ人の「自己決定・自己実現」を社会的に具現していくことにあると受け止めている。このことは、地域で安心して暮らしていけるための仕組みづくりであると捉えたい。市長及び市当局はどのように考えるか。

【木内民生部長の答弁】
「措置制度」から、利用者の立にたった制度、支援費制度に移行する。これは、本人の意思で、生まれ育った住み慣れた土地で安心して暮らしたいという思いをかなえるために地域ぐるみで障害をもつ人を支えていく制度。ノマライゼーションの理念に基づく取り組みが必要。H15年度は、入所施設利用者に対しては、「みなし適用」で支給の対象にする。現在、障害をもつ本人やその家族に説明している。
 居宅の人については、各家庭に出向きヒアリング中。H15年、2月までに支給決定し、受給者証を交付する予定。

【栗原の質問】
一方、懸念される問題がある。これまで、福祉サービスを担ってきたのは行政であったが、これが行政の手から離れ民間事業者が行っていくことになる。支援費制度において、行政はサービスの提供者ではなくなることによって、いきおい、福祉に対する行政の責務が希薄化しかねない。だが、支援費制度においてはさらに行政の責務や役割は拡大していく筈。この点についての認識の如何を伺う。

【関福祉部参事の答弁】
市町村は最も身近な行政であり、市が利用者本位の決定を行う。障害をもつ人からの相談などで利用者の権利を守ることが大切。相談機能が重要。また、他機関との連携も大切と考える。利用者の権利を守っていきたい。
 サービスの提供が、行政から民間事業者へ移行するについて、行政の責務が希薄化するのではないかとの指摘だが、断じてそんなことはない。その責務はますます増大すると受け止めている。

【栗原の質問】
「選べる」と言うが本当に選べるか?選択の前提は豊富なサービス。現状では少なすぎるのではないか。

【関福祉部参事の答弁】
「選択」ということだが、サービス提供事業者となるためには県知事による指定を受けることが必要。施設サービスは「みなし指定」、居宅サービスは新たに指定をうけることになる。4月からのサービスを提供するためには遅くとも2月末までに申請がされる必要がある。三島市内では新たに2件の申請がされていると聞く。今後さらに増えていくように、市では介護保険事業者にも参入を働きかけている。

【栗原の質問】
サービスの支給量はどのように決定されるのか

【関福祉部参事の答弁】
 11月中旬頃から面談し、希望するサービス内容、本人の障害の程度や種類、家族の状況など聞き取りをしている。一人について1時間〜3時間行っている。制度に対する不安などについても相談にのっている。今後、総合的に判断して支給量を決定していく。

【栗原の質問】
とりわけ知的障害をもつ人が契約当事者になる場合、本人の意思をどのようにサポートするのか。(保護者がいない場合など)「後見的支援」が必要な場合があるが、どうするのか。

【関福祉部参事】
 判断能力が充分でない人の場合など、後見的支援が必要。これは、社会福祉協議会で行っている地域福祉権利擁護事業、また契約行為についての支援として成年後見人制度があるが、市長が後見人の選任のために家庭裁判所に申し立てができる「支援制度があり、三島でもH15年度から開始したい。

【栗原の質問】
サービスの支給量の決定の問題は重要だ。利用者が思うようにサービスが受けられるのかどうかを決定づけるもの。
現状行われているサービスはとても少ない。「総合的に判断していく」とのことだが、それではよくわからない。支給量の決定は利用者にとって、公正で透明、納得できるものでなければならない。行政処分になるので、本来は基準が必要だが、基準も無い。しかし、反面、安易な基準を設け、一律に運用できる問題でもない。ここに難しさがありはしないか。どのように考えている?

【関福祉部参事の答弁】
厚生労働省は一律的な基準は設けないとしている。担当課としては、個々人によって支給決定にバラツキがあってはならないと考える。説明責任も伴う。何らか「基準」的なものを考えたい。他市の例にも学び、状況見ながら対応したい。
【栗原の質問】
安易な基準で一律運用はさけるべきだ。どのように支給決定するかについて原則的な考えを求めたい。「利用者の意向を最大限尊重する」ということが必要ではないか。

【関福祉部参事】
利用者の意向をきくなかで決定していきたい。
【栗原の質問】
行政の責務の低下についての懸念だが、「利用者の権利を守る」という答弁。その自覚を高めてほしい。また、「専門性」もこれまで以上に必要な筈。専門性とは@サービスのコーディネーターとしての専門性(いろんなサービスをつなぎ合わせることにより利用者のニーズを満たす)Aケアマネジメントの専門性(支給量の決定は「ケアマネンジメント」に他ならない)Bサービス提供事業者に対する指導の専門性(利用者に対する重大な権利侵害があり得る)以上に整理したい。こうした専門性をどのように確保するのか。
また、何と言っても予算の裏付けが重要。現状では居宅福祉の予算は年間で2000万円あまり。これでは少なすぎて支援費制度は機能しない。(参考資料)市長はどう考えるか。

【小池市長の答弁】
専門性について3点の指摘があった。いずれも支援費制度への移行に伴い必要なことと考える。すでにケアマネジメントについて職員は研修に励んでいる。専門性を高めていく。予算については、一番大事なこと。なお、支援費の財源は国が二分の一、県・市が四分の一ずつである。これは従来の「措置制度」と同じ。サービスの単価アップからの財政問題もあり得る。障害をもつ人が自立して生活ができ、安心できるサービスのために財源確保に全力をあげたい。


山麓の雑木林を守っていくとこについて

【栗原の質問】
箱根山西麓の人工林は間伐事業が進められている。「フォレストインストラクター」の養成や今後の取り組みなどを含め大いに期待される。箱根西麓には人工林以外に雑木林が点在しているが、これは環境上も貴重なものとして捉えたい。こうした雑木林の保全と育成について、市長及び市当局はどのように考えているか。
こうした雑木林の実情をどのように把握しているか。森林整備計画の区分からすると「森林と人との共生林」に多くが存在しているが実態はどのようであるのか。
国庫補助事業「里山林の新たな保全・利用推進事業」など、所有者・行政が協力して市民参加(市民主体)で雑木林を守っていくことに取り組む考えはないか。
【小池市長の答弁】
三島市の森林面積は2381ヘクタール。(市面積6213の38%)うち、広葉樹は627h。(森林の26%)針葉樹に対し、集落近くに位置している。s40年代まで生活に密着していて野生生物の成育の場でもあった。石油エネルギーへの転換で放置されるようになった。林に光りが入り、樹木が健康に育つことが必要。種子の発芽を助けることも必要。また、竹林の侵入も問題。竹林の拡大を防止する必要がある。このように人の手を加えていくことの必要性のある貴重な森林であると捉えている。何十年かこのまま放置したら箱根の里山林は竹が侵入してしまうのではないか。対応は今後の課題だ。
H14年度より農政課、水と緑の課、環境企画課、生活環境課で森林ボランティア319名が参加し、竹をテーマに竹の伐採や竹炭づくりなどの有効利用に取り組んでいる。また、フォレストインストラクター養成講座で、今月14日に団体設立することになっている。市民で森林を守るという高まりを期待している。
国庫補助事業「里山林の新たな保全・利用推進事業」を今後活用する考えだ。国・県と調整中である。所有者の理解を得る中で雑木林の保全に取り組んでいく必要があると考えている。
【菊池経済部長の答弁】
森林法の改正により箱根を中心とする三島の森林のエリアを3つにゾーニング(区分け)した。そのうち、「森林と人との共生林」が計画対象区域の28%を占め、うち、広葉樹林はその約30%を占める。多くが個人所有である。住宅地の近郊に位置している。