keikoba日記

平成20年11月

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2008年11月28日(金)
あなただけです

 ジュビロ磐田を始めとする数クラブが天皇杯で先発メンバーを大幅に変えたことに対し、日本サッカー協会犬飼会長が怒っているという。Jリーグのリーグ戦とナビスコ杯には「ベストメンバー規定」があって大幅にメンバーを変えることはできないが、天皇杯には適用されていない。犬飼会長は「日本一の大会に臨むのに失礼。」と、天皇杯にもベストメンバー規定を適用させるとか、来年の大会の出場権の剥奪を検討しているらしい。

 元々僕はベストメンバー規定には反対している。特にトップクラブでACLに出場し、ナビスコ杯や天皇杯を勝ち進んだ場合の試合数はかなりの数になる。同時にそういうクラブには代表クラスの選手が多い。クラブとしては疲労で潰す前に調整しようとするのは当然だ。同時に出場機会が恵まれない選手には絶好のチャンスになる。ここぞとばかりに張り切ったプレーを観て「この選手、こんなにいいプレーするんだ。」と気づくことはファンとしても楽しいものだ。それは間違いなくJリーグの選手層の底上げにつながるはずだ。

 確かにナビスコ杯はスポンサーの関係もあって難しい面もあるし、例えば初めて観戦に来た人にしてみればTVで名を聞く選手がガラリと変わって出場していなければ残念に思うのも理解できるが、クラブの戦略もある。そもそも「ベストメンバー」じゃないとされた、出場機会のない選手に失礼だ。

 水曜日の天皇杯でジュビロガンバ大阪に敗退。先発メンバーは直前のリーグ戦から10名変えた。オフト監督は「天皇杯についてはこれがベストメンバーだ。」と表現した。肉体的にも精神的にもリーグ戦に集中しているメンバーより、これを機会にいいとこ観せようというというメンバーの方が「ベストメンバー」というのは一理ある。プロ野球で言う「捨てゲーム」とは意味合いが違う。
 そもそも降格争いがラスト2試合の段階でガンバのACL日程に付き合わされてジュビロだけが水曜日に試合を組まされるのは不公平だ。いっそ全部の5回戦を同一日程にすれば良かったのにねぇ。天皇杯の日程は日本サッカー協会の管轄。時自分たちの手落ちをクラブに押し付けられても困るんだよね。直前の天皇杯をリーグ戦と同じメンバーでやったら、リーグ戦で勝ち点1でもくれるというのなら話は別だが。

 犬飼会長へ。「これが“ベストメンバーだ”というから問題になる。はっきりと“リーグ戦のために天皇杯は捨てた”と言えばいい。」と発言していましたが、問題にしているのはあなただけです。他に誰も問題視していません。天皇杯の日程をリーグ戦の迷惑にならないようにするなど、あなたの仕事をこなしてから物を言ってください。

 それからもう一つ。まさかと思いますが、浦和レッズ社長時代にオフト監督と揉めた“私怨”を持ち込んでたりしませんよね?

2008年11月23日(日)
夢の島プロジェクト稽古

 参加者はたーさん大石さん畑木鉄兵ちゃんめめちゃん他屋さん、僕。めめちゃんをアンダースタディ(代役)に入れての稽古を進める。

 まずは前回の通し稽古で最もグダグダだったラスト近くの大石さん畑木の通称「乱闘シーン」。一度段取りを決めてあったのだが、時間が経って2人とも忘れてしまっていた。今一度段取りを確認して何度も小返し。決めた段取り通り動いても段取り臭く観えないようになるのが理想。なかなか難しいんだけどね。残り数少ない稽古の中で重点的に攻めたいシーンの一つだ。

 初通し稽古後の初稽古。1回通し稽古をやると役者たちの目の色が変わるというか、気合が入るというか。稽古場の雰囲気がより締まった感じになる。稽古をしていて気持ちいいです(^^)
 稽古の“量”を求めることが難しい夢の島プロジェクトは稽古の“質”で勝負するしかない。2月7日(土)・8日(日)のFestaまで時間も稽古も残り少ないが、変わらず気合入れてよりおもしろい芝居になるように頑張ろう!

2008年11月22日(土)
劇団からっかぜ『ナース・コール』観劇

 福祉交流センターがほぼ満席。凄い。ただし他劇団と明確に客層が異なっていて、何故か客席にいて落着かなかったりする(^^;)

 2009年2月。大都市近郊にある総合病院の消化器内科病棟ナーステーション。 弱いも患者には好かれる桐原うらら、そそっかしいが元気いっぱいの勤務七年目の看護師。 「なんで私は看護師に…?!」向いてないと悩むうらら。 看護師と医師が対等である訳がない。医師の下働きと豪語する雪村先生。今日も、患者に振り回されるナース達。看護師長の倉島梅子、主任の桜井祐子、 同期の石田桃子、先輩看護師萩尾絹代に野田みどり、外科から配置換えされた関口美咲、四大卒の新人看護師藤原理緒を加えて、検温や血圧を測り、点滴を付け替え、尿測をし、清拭に、シャワー浴に、食事介助にと、彼女らは忙しく走り回り昼夜の奮闘が続く。 ある日、高熱を発した患者が入院してきた。はじめはインフルエンザと思われたが(劇団HPから)

 2時間に及ぶ大作なれど飽きさせない舞台になっていたのはさすが。しかしながら全編に渡って盛り上がりに欠けたというか、アクセントが無かった気がする。一つ一つのシーンは緻密に創られているが、芝居全体ではまったりと流れてしまった感じだ。それとうらら役の森幡さんの演技が「相変わらず上手いなぁ。」と感心した反面、上手さが光りすぎちゃって、誤解を恐れず言わせてもらえば少し浮いた感じになってしまった。

 改めて、芝居は創り手」の協働作業なんだと確認した次第。やっぱり芝居って難しい。

2008年11月15日(土)
伽藍博物堂『視界良好?』観劇

 休みの日に遅い時間まで寝ているのは無上の贅沢だが、Hちゃんの「お散歩行きた〜い。」という声に起こされて散歩に出たら朝飯食いそびれ、観劇ツアーに必要な買い物に出かけたら店の混雑等で昼飯食いそびれ、かと言って高速のSAで昼飯食ったら去年6月の二の舞(開演時間に間に合わず)になるのでパンを買うだけで我慢。「腹減った…。」と思ったが、駐車場を探したりして劇場に着いたのは開場後。
 昼飯やめといて良かった。

 ある山間部の温泉町、田原町では間もなく空港が開港する予定である。 その空港を見下ろすハイキング登山口の休憩所にやってくる人達のすっきりしない気持ちのやりとりの中から生じるあれやこれやを描いた作品です。 (尚、この物語は架空の町を舞台にしたフィクションです) (劇団HPから)

 面白い芝居だった。さすが伽藍博物堂!という芝居だった。が、観ながら「芝居って難しいなぁ。」と思った。
 芝居を観るには必ず“タイミング”がつきまとう。劇団がその作品を演じるのも“タイミング”だし、観客にもそれぞれに“タイミング”がある。そしてその時の時代や社会的環境も…。今回の作品は地方空港に関わるストーリー。それが現実世界の静岡空港開港延期問題が絡んできてしまった。空想である演劇のストーリーに、現実世界の方が近づいちゃった特異な例だ。
 現実の静岡空港問題は、県民それぞれが思うことがあるはず。まさに芝居の登場人物たちと同じだ。そのため芝居を観て起こる心の動きはあまりに生々しいものになってしまった、少なくとも僕は。メッセージ性、特に政治的な主張が強い芝居は、それに共感できればいいが、共感できない場合には…。残念ながら静岡空港問題は多分に政治的なものになってしまっている。ゆえに今回の芝居を観ての感想はとても難しいものになってしまった気がする。
 芝居を観る客が何を求めて劇場に来るのかは、当然観客それぞれ異なっている。それを捉えることはとても困難なことだ。もちろん芝居をやる者はそれを諦めてはいけないが、簡単なことではないなと感じた。

 あ、そういうことを抜きにすれば本当に面白い芝居だったよ。

2008年11月14日(金)
気にしすぎやで

 昨日観た『ハンサム☆スーツ』の主題歌は渡辺美里『My Revolution』。実に映画とマッチしていたのだが、最近TVなどでのCMを自粛しているんだとか。理由は作曲が小室哲哉だから。その他の小室作品も音楽番組等で流さないようにしているらしい。

 アホちゃうか。映像作品で出演者が殺人事件を起こしたとかいうんだったらともかく、楽曲、しかも本人が歌うものじゃなければ問題ないんじゃないの? 日本人って本当に変なとこを気にしすぎるくらいに気にするんだよなぁ。

2008年11月13日(木)
いやぁ、映画って本当にいいもんですねぇ

 元々映画は大好きで、芝居は社会人になってから始めたのだが、映画は高校時代に部活動の他に友人と映画研究会を作って8mmやビデオで映画を作ってたので、映画の方が先なのだ。なのでおもしろかったり、いい映画を観ると「あ〜映画創りてぇ〜。」と思ってしまう。
 『ハンサム☆スーツ』を観る。作品メッセージは観る前から大概予想できて実際その通りだったのだが、ラストは予想の“逆”だったし、ちょっとおふざけが度が過ぎて鼻についたが全体的におもしろい映画だった。ホンマに映画創りたくなっちゃったなぁ。

2008年11月11日(火)
悪いことしました

 自衛隊の前航空幕僚長が国会の参考人質疑の後、「そんなにわたしが悪いことをしたのか。」と発言したのだが、正直「悪いことしましたよね。」としか言いようがない。
 本人が言うように、発言や思想の自由はあるべきなのでそこはいい。問題なのは幕僚長という立場でありながら政府見解と異なる主旨の論文を外部の懸賞に出したことだ。人間には「公私」というものがある。私的な思想も公の立場である時は控えねばならないことは、社会人であれば誰しも弁えていること。どうしてもその主張をしたいのならば職を辞してやれば良かったのだ。

 何より驚くのが、例え自分の思想が正しいと思っても、それを発言することで国内外問わず大きな影響が出るということに考えが及ばないという、そんな広い視野による状況把握ができない人間が自衛隊のトップにいたということだ。そんなんで有事の際に的確な判断ができるんかいな?
 そういう意味では更迭はいい判断だ。心象は別として、法的には論文投稿だけでは懲戒免職は難しいだろうから。

2008年11月9日(日)
初通し稽古

 ☆ 夢の島プロジェクト2nd Festa『月夜の晩にあなたはいない』
  ○ 作   : 佐藤剛史(伽藍博物堂)
  ○ 演出 : 渡辺泰世志
  ○ 会場 : 浜松市浜北文化センター2階展示室
  ○ 期日 : 平成21年2月7日(土)・8日(日) ※2日間で3ステージ

 Festa開催まで残り89日。3ヶ月きった。2週間に一度の夢の島の稽古ペースでは残り稽古回数は今日を入れて7回。けっこーシャレにならない状況になってるなぁ。

 で、本日初めての通し稽古。良くも悪くも現状の仕上がり具合が表れる。それなりに仕上がっているシーンと全然ダメなシーン。台詞の入り具合、段取りの打合せをし忘れたシーンとか。どんな劇団でも初通し稽古は、大概はズダボロの結果になるもんだが(^^;)
 御多分に漏れず我々も台詞が飛ぶわ、段取り忘れるわ、その分時間が延びて閉館時間にひっかかってラストまでいけないわで、かなりのズダボロだった(--;)

 前回の稽古に見学に来てくださった佐藤剛史さん(伽藍博物堂)が「台詞を思い出そうと素に戻っちゃって、芝居の流れが止まるなら台本を持たせた方がいい。」とアドバイスを下さったのだが、以前から「通し稽古は台本手放してやるぞー!」と宣言しちゃってたこともあって、無理を承知で決行したのだが…。

 現状認識は痛いほどできた。かなり道のりは険しい。でもその道はおそらく一本道のようで、道に迷うことはなさそうだ。これまでの歩みは鈍くとも、どうやら目指す芝居への大通りを歩いていたようだ。

 初通し(通してないか?)が終わって恒例の自販機前ミーティング。役者たちの目が変化してきたようだ。道がはっきりすれば後は歩く(走る?)だけだな。

2008年11月5日(水)
関わりから大切さが分かる

 横浜市の学校で児童・生徒によるトイレ掃除を約30年ぶりに復活させるのだという。僕が産まれ育ったのは横浜市ではなく静岡県の浜北なのだが、言われてみれば掃除の時間にトイレ掃除した覚えはない(何らかの理由によるバツ掃除を除く)。

 ただし、これについて教職員からは賛否両論が起こっていると言う。賛成は「身の回りのことを自らできるようになる。」、否定は「感染症など衛生面が心配。」なんだそうだ。感染症のことを言われると議論しにくい面があるが、細菌などは日常生活していて周囲にウヨウヨしているわけだし、過去には学校でトイレ掃除を行っていたわけで、近年になって急に最近が増えたわけじゃない。子供を過剰に「無菌状態」に置くのもいかがかな、と思う。

 何より自分が掃除した場所と言うのは綺麗に使おうという意識は間違いなく芽生える。人間自分に関わりがある事や物は大切にするものだ。自らが学ぶ場を大切にしようとする機会をつくることが何故いけないのか。上っ面の賛成、反対ではなく、根本的な議論をしてもらいたいものだ。

2008年11月2日(日)
砂喰社×浜松キッド 観劇

 始めて今回の劇団砂喰社演劇集団浜松キッドのコラボ公演を聞いたときには思わず「うそっ!?」と叫んでしまうと同時に「時代が変わったなぁ。」と感じたよ。だって砂喰社って…、だよねぇ。以前僕が某プロデュース公演に客演した時には…、だったよねぇ。やっぱり何かが大きく変わったんだろうな。
 家庭の事情により当日スタッフとしてお手伝いできない不義理をしてしまった。申し訳ない!

 とある古びた倉庫に集まった5人の人物たち。放浪中のロケットマニア。倉庫萌え〜な女の子。道に迷ったIT長者。役者以外の才能抜群な俳優志望。元暴走族の整備士。悪徳(?)議員の企みで取り壊されようとされているこの倉庫で、偶然見つけた「神様のエンジン」の設計図。そして、封鎖されたはずの扉から現れた、宇宙へ向かう方法を探している不思議な人物。
 ロケット…作っちゃう?
(チラシより)

 観ていて芝居の世界に引き込まれる、おもしろい舞台だった。取って付けたような刹那的な笑いを求める演技ではなく、しっかりと“芝居”で笑える作品で、十分に楽しませてもらった。

 ただしその分と言うかそれゆえと言うか、残念なことがいくつか。時に舞台がやたらと広く感じることがあった。会場の福祉交流センターの舞台は実際に広いのだが、それ以上に広く感じたのは、その広い舞台を埋めるような役者の動きが少なかったからじゃないかと思う。特に前半アップテンポで進むシーンなどはもっと役者が動き回って舞台の空きスペースを埋めてもよかったのではないか。同時に前半キャラクターの性格を掴みづらかった(例えば誰がボケ役で誰が突っ込み役か)のだが、これも台詞と同時に大きく動くことをすれば良かったと思う。もちろん段取り的に動くのは良くないが。また倉庫内でロケットを製作するシーンで舞台下手奥にパソコンで設計、上手奥でロケットの組み立てていたが、どちらかを舞台前面にもってくれば奥行きが出たのではないかと思う。
 一方で後半にかけては少々盛り上がりに欠けた感じがする。芹沢と老人の関係も「レンチの大きさ」と「携帯」だけではなく、例えば口癖などで印象つけた方が良かっただろうし、ラストのロケット発射もバイクの爆音とか発射音とかの音響効果、照明効果がもう少し欲しかった気がする(カーテンコールになって終わりなのに気がついた)。まぁ音響や照明はなかなか難しいものではあるのだけれども。

 あと一つ。芹沢が特攻に行くことになったシーンで、手に召集令状(だよね?)を持ち、BGMに戦争中のラジオ放送がかかっていたが、芹沢は既に陸軍の技術者であったはずで召集令状(だよね?)はおかしいし、ラジオ放送も昭和16年の真珠湾攻撃を報じるもの(聞き間違えてたらごめんなさい)だったので、1945(昭和20)年という年代設定とは合わなくなってしまう。このシーンは観ながら頭の上にたくさんの「?????」が浮いてしまった。

 といろいろ書いてしまったが、これは「自分が演じてたら…。」とか「自分が演出してたら…。」なんていう目で観てしまう、演劇人の悪い癖のために目に付いてしまったもの。我ながら「悪い癖だなぁ。」と反省している。で、あくまで純粋に楽しもうという目線で観れば、冒頭に書いたように芝居の世界に引き込まれる、おもしろい舞台だった。テンポも緩急があって良かったし、役者たちもみんな上手かった。特に桜木役の桐生クンは元々上手いと思っていたが、改めて驚かされたよ。

 2つの劇団が一つのものを創り出す。言うは易いが行うは難し。演出を始め、関係者は大変な苦労をされたんだと思う。その上でおもしろい舞台を創り上げたことに敬意を表したい。また浜松キッド、特に若手たちには貴重な経験になったのではないか? 学べることはどんどん吸収して、これからも今回のような、おもしろい“芝居”をやっていってもらいたい。

 ※上記はあくまで僕の個人的な感想です。悪しからず。