『visionaries〜種を蒔く人〜』を観にいく。今回昨年に引き続き夢の島プロジェクトメンバーのがっしーさんが客演。諸事情で稽古にもなかなか顔を出せないがっしーさんだが、こうした機会をうまく掴んで、何だかんだで一番舞台に立ってる気がするなぁ。ある意味羨ましい(^^)
後悔してるの? それとも、約束が欲しいの?
ひとつぶの種が、大地に蒔かれる──。
公演のたびに様々な世界を創り上げ、その捏造ワールドで寓意に満ちた物語を繰り広げてきた絡繰機械's。最新作『visionaries
〜種を蒔く人〜』は、「ひとつの作品から派生・拡張していく作品群で、1年かけて世界を描いてみたい」という俳優陣からのオーダーに応えるべく書き下ろされた組曲、その第一楽章だ。
人がただ通り過ぎていくだけの、終わってる街──そんな名前さえ明かされない街に暮らすひとりの女の想いを起点に、出会った男が探す男、追う者と追われる者、乖離してゆく世界……蒔かれた種が、芽吹き、絡み合いながら物語は広がっていく。
カラクリらしいスピーディで小気味良い展開、激しいアクションや笑い要素ももちろん満載!
昨年度のはままつ演劇・人形劇フェスティバルで最優秀賞・主演女優賞・審査員特別賞を獲得し、その実力を高く評価された絡繰機械'sが挑む新たな世界。「最終章が第何部になるのかは未定」という壮大な構想が、幕を開ける。(劇団HPから)
幕開けからまさに「絡繰らしい」スピードがあって展開の早い芝居。観てる側がちょっと気を抜くとついていけない程だが、その展開の速さが気持ちいい。
ただ、今回の作品については殺陣と笑いの要素は余分だった気がするなぁ。1年間の連作ということで次回以降に絡んでくるのかもしれないけれど、今回の作品ではそんなやたらに「チャンバラ」せにゃならんほどカオス(混沌)な世界には感じられなかった。また笑いの部分も取って付けたような感じで、台本上で計算されたものなのか、トチったことの照れ隠しのアドリブなのか分からなかった。計算されたものにしては役者の素に戻りすぎていたような気がする。全体としては次回作への大いなる序章といった感じかな。
さりとて役者たちは鍛えられていて舞台上カッコ良かったし、絡繰機械’sのレベルの高さが感じられた舞台だった。BGMが盛り上がったところでの台詞でちゃんと音響レベルを下げていて台詞を聞き取れたし(^^)。次回作がどう展開するか期待したい。
いや、何が良かったって舞台上のがっしーさんがホントにカッコ良かったのよ。あのタッパ(背)とマスク、やはり貴重な役者だし、夢の島プロジェクトの大切なメンバーだ。芝居に関わってなくちゃダメだよ、がっしーさん。
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