エミリアのデリュージョン日記
  ★ 2001ねん 7がつ ★   

[6月の日記]  [メインに戻る]  [8月の日記]

リンク:「桜の花が散る頃に…」   「妄想部」



7がつ19にち
   お詫び 諸般の事情で更新が遅れましたことをお詫び申し上げます。理由は下記にて。

新たなる来訪者1 6日。薫の様子がおかしい。このところ夜な夜な魘されて寝言をなにやら言っていたが… がたがた震え、何かに怯えているよう。

薫「お姉さま、あの子が…金青の子が…私を乗っ取ろうと…」
エミリア「は?乗っ取るって幽霊じゃあるまいし、彼女はちゃんとした肉体もってないっての?」
薫「何かの事情で今は肉体を持ってないって…でも今、あの子の瞳は金青じゃない…肉体を持たないことで…力の均衡が…どうとかって言って…」
エミリア「…??? とにかく、それでもここに来たがっているってんだったら…一旦その子、薫とシンクロさせちゃうか?いざとなったらオレ追儺とかできるし」
薫「そんな…あ」
その刹那、何かの力が薫に流れ込むのがオレにも分かった。薫の瞳は緑に変わり、やや顔だちも変わったような気がする…
エミリア「薫…じゃないね。君、名前はあるの?」
???「…『………ア………ナ』…(口はぱくぱくしてるがまともに声が出てない)」
エミリア「ん?まだ薫の体に馴染んでないね。…ほれ(と背中を軽く叩く)」
???「…あ…えっと、はじめまして。あたしの…名前ですかあ?自分でつけたの…拾った名前だけど。長いよ?」
エミリア「自分でそれ名乗るって決めたんだったらそれでもええやん。名乗ってみ?」
???「『セシリア・ソフィア・フォン・セルヴィアーナ』ですが」
エミリア「ちょっと待った。それはこの子の名前だ(と、例の金と青の瞳の子の絵を見せる)」
???「あちゃ。かぶっちゃった?でも今はあたし眼の色も変わっちゃってるし。この名前なのれないよね。緑だとエミ…」
エミリア「『エミリア・セレノヴァ・セルヴィアーナ』?そりゃまるっきりオレだ。同名ってワケにもいかんでしょ。…まあ、そのセシリア以下略な名前は自前の体を手に入れた時ってことにして。ひとまず今の名前付けよう…。『碧(みどり)』か『樹(いつき)』って感じかな。受ける感じだと」
???「んー、この眼で『みどり』だと何だか安易な気がするから『いつき』の方がいいな」
エミリア「了解。…で、薫の体乗っ取りっぱなしもまずいやね。引っ込める?」
樹「薫姉さんが出られれば良いのね。じゃ、あたし一旦薫姉さんの内側に籠るわ。どっちみち自分の体じゃないから…長いこと表出て…られな…い……」
樹は力が抜けたように目を閉じ、一瞬ぷるりと肩を震わせたように見えた。樹が表面に出ていた時に感じられた「力の流れ」は、内側に潜まっているよう。表情も普段の薫のそれに戻っている。
薫「…ふー!なんだかしばらく自分の内側で押し込められていたような感じがしますわ。セシリアさん…樹さんの話ししてるのも全部わかるんですけどね。内側で樹さんがもぞもぞしてて何だか変な感じがするんですけど」
エミリア「違うとこからコンタクトとったり、窓口になったりするのと同じかな…」
薫「?こういう事例、お姉さまは御存知で?」
エミリア「…まあ、いろいろと…ね」
ということで薫と樹が二重生活。樹の体を調える方法は後で本人から聞くことに。

新たなる来訪者2 それから1週間近く経った。仕事の合間に所用があって某繁華街へ買い出しをすることになったのだが…その目的の店に出向くも、肝心のブツはあいにくメーカーからの入荷待ちとのこと。やむなく、他のモノを適当に物色しようとショーケースを眺めていたら、隣にやってきた子が人のスカート(注:エミリアはれっきとした女です)をひっぱる。見た目から推測するに、まだ7歳くらいだろうか。姿かたちこそ若干違うが、どうやら薫や樹たちと同族の子らしい。

エミリア「? どうしたの?」
???「ねえ、おねえちゃん。つれてって?」
エミリア「へ?」
???「…おねえちゃん、つれてって…おうち、かえるぅ」
エミリア「ちがう、って。…あなたのおねえちゃんたちは?このお店の何処かにいるんでしょう?私は違うよ」
???「おねえちゃんから、おなじおねえちゃんたちのかおりがするの…だから…あたしもつれてって…ひとりじゃさみしくていや」
エミリア「もともといたお姉ちゃんたちは?はぐれたの?」
???「『あなたはいつまでもここにいるべき子じゃないのよ、もっと「積極的」に自分を身請けしてくれる人を探しなさい』っていわれておいだされた…でもひとりじゃさみしいからいやなんだもん…だから、おねえちゃんたちのかおりのするひとがくるのをまってたの」
エミリア「うーん。じゃあそのお姉ちゃんに聞いてみようか」
ということでひとまず家に電話を掛けてみる。4回鳴ったところで薫が電話口に出た。
薫『はい…お姉さま?どうなされたんですか?』
エミリア「いや、それがね。薫たちの妹にあたるのかな…となりにその子がいるんだけど、ひとりはいやだ、連れてってくれって言うんだわ。薫達はどう?」
薫『私は…話し相手が出来ると言う点で歓迎致しますわ。樹さんは…あ、「あたしは妹大歓迎」って言ってますね。ええ。どうぞお連れになってください。そちらの妹もひとりでは寂しいでしょうから。…名前は私と樹さんとで、お姉さま達が帰るまでに考えておきますわ』
エミリア「あいわかった。…宜しく頼むわ(と電話を切る)」
???「…だめ?」
エミリア「…お姉ちゃん達も歓迎してるよ。オレも歓迎。じゃあ、一緒に行こうか。…ただ、オレこれから仕事残ってるから、その間ちゃんと待ってるんだよ。いいね?」
???「わーい!ありがとう!…えっと、何お姉ちゃん?」
エミリア「オレは『エミリア』。家にいるお姉ちゃんは『薫』と『樹』。帰ったらちゃんと自己紹介するからね。あなたの名前も薫たちがつけてくれるって」
???「わーい!」
はしゃぎ放題。ひとまず職場(郵便局)の休憩スペース(テレビもあるし畳敷きのスペースもある)で待たせて仕事をして帰投…。
結局「薫」も「樹」も同じ16画(意図したものではない)ということで、16画で探し、「燎(かがり)」か「ちはや(字が出ない…衣へんに畢)」、と候補を絞ったらしい…お淑やかな子になってほしいので「ちはや」にすることに。何たって字が出ないので(広辞苑にはきちんと載っています)普段はひらがなで表記することで決まり(それやると「かおる」「いつき」「ちはや」とひらがなで統一しろと言われそうですが…)。

7がつ1にち
    きのう遅くまででかけていて帰りが遅かったせいかひたすら寝てる。このごろよく寝言が…。あえてここでは暴露いたしますまい。
薫「お姉さま、何かおっしゃいました?」
エミリア「んにゃあ?何でもないよぉ」
…怒ると怖いからねえ…(怖)


[6月の日記]  [このページの頭に戻る]   [8月の日記]

[メインに戻る]