顕微鏡生物実験室2.

***アサガオのつるの回旋転頭運動の記録***

アサガオのつるは、首を振るような運動(回旋転頭運動)をしながら、巻き付くものをさがします。
それがどの方向にどのくらいの速さかを調べてみました。

アサガオのつるの運動
下の写真は、アサガオの鉢植えを10分毎に真上から撮影したものです。つるは、このとき40分で約180°反時計回りに回転しました。
この回旋転頭運動を、次のようにして透明なプラスチック板に記録しました。

アサガオのつるの回転


録方法及び結果

実験法の図と結果


左の図のように、鉢植えのアサガオのつるの先を10〜15cmほど残してその下を棒にしばりつけます。
このつるの上に、透明なプラスチック板をつるの先がふれないようにして固定します。真上から見てつるの先の位置とその時刻を10分毎にサインペンで、プラスチック板の上に記録しました。








左の図は記録の一例です(1996年8月9日)。
反時計まわりに
、かなり速く回っています(左の図の場合は1時間に約240°)。











後記

ふつう、植物は動かないものと思われていますが、アサガオの回旋転頭運動の速度は、思いのほか速いものでした。時計の長針より少し遅いだけです。この運動は、つるの最も成長の速い部位が規則的に変化することによっておこるということです(下記参考文献1)。この運動の途中で、何かに触れるとそれに巻き付いて伸びていきます。
運動の速度は、1日のうちの時刻やその時の温度、日照などの環境条件の影響をうけるのでしょうか。また、ほかの植物では、どのような回旋転頭運動をするのでしょうか。いずれ調べてみたいと思っています。


<参考文献>
1.放送大学印刷教材 植物生理学(放送大学教育振興会) 増田芳雄、菊山宗弘著
2.科学のアルバム 植物は動いている(あかね書房) 清水 清著


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