顕微鏡生物実験室21

*** ビー玉とスマートフォンで拡大観察・撮影を-part2 ***

前のページ”ビー玉とスマートフォンで拡大観察・撮影を”で使った無色透明のビー玉は、直径17mmの普通サイズのものでした。
ここでは、それより小さな直径12.5mmのものを使いました。小さなビー玉を使うと、大きなビー玉より倍率は高くなります。


ビー玉レンズ+スマホでの観察法 

ビー玉レンズルーペとスマートフフォンを組み合わせての観察や撮影方法は左図のとおりです。

ビー玉レンズルーペの作り方、それを使った観察方法の詳細は、前のページを見てください。ここをクリック→(生物実験室20
以下は、普通サイズより小さな直径12.5mmの無色透明なビー玉とスマートフォンを組み合わせて撮影した例です。
以下の写真は、付きのが「ビー玉+スマホ」で撮影したもの、ほかは別の方法で撮影した参考写真です。 


細かな構造の観察

1)食塩の結晶とグラニュー糖の結晶

食塩の結晶 グラニュー糖の結晶

食塩と グラニュー糖の結晶はは肉眼では区別がつきにくいですが。

食塩の結晶は四角で、大きさがそろっています。 グラニュー糖の結晶の形は氷砂糖と同じで、大きさに大小があります。
 食塩(食卓塩)  グラニュー糖  


2)タンポポの実

 タンポポの実  風にのるタンポポの実  

綿毛(冠毛) の下についている茶色の細長い粒がタンポポの実です。その中に種子が1粒はいっています。冠毛で風にのり飛んでいきます。

実を「ビー玉+スマホ」で見ると、このように鋭いとげやすじがあります。運ばれた先で何かにひっかかって留まりやすいためでしょう。
 タンポポの実  冠毛で風にのるタンポポの実  


3)指紋

指の指紋   
観察法をひと工夫しました。白粉(おしろい)を使います。

指をコンパクトに触れて白粉を一面につけます。ティッシュペーパーで拭って、余分な白粉を落とします。その指にセロハンテープを貼り付け、押しつけるようにして、指についた白粉を移しとります。指からはがしたセロハンテープを、そのまま透明プラスチック板に張り付けます。

これを「ビー玉+スマホ」で観察すると、このように指紋も汗腺の出口もはっきり見えます。
 ○手の親指の指紋  



細胞の観察
サイズの大きな細胞を選んで観察しました。直径12.5mmのビー玉とスマートフォンを組み合わせての観察では、倍率は20〜30倍くらいと思われます。顕微鏡での100倍の像と比べて示します。


1)ノハカタカラクサ(野博多唐草―別名トキワツユクサ)のおしべの毛

初夏に花が咲く野草・ノハカタカラクサのおしべには細かい毛がふわふわとたくさん生えています(下の最初の写真)。この毛を「 ビー玉+スマホ」で観察すると、細胞が一列に連なっていることが分かります(2番目の写真)。顕微鏡で見ると細胞の核も見えました(3番目の写真)。細胞の長さに長短があることも、顕微鏡でははっきり分かります。

 ノハカタカラクサの花 ノハカタカラクサのおしべの毛1   ノハカタカラクサのおしべの毛2
 ノハカタカラクサの花  おしべの毛   おしべの毛-顕微鏡像(10×10)


2)トマトの果肉

トマトの果肉1 トマトの果肉2 
トマトの果肉細胞は、じっと目を凝らすと肉眼でも小さな点々に見えます。それほど大きいのです。

「ビー玉+スマホ」では、透明な玉のような細胞の集まりが見えましたが、、顕微鏡で観察すると、細胞に含まれる色素カロテンも見えました。
 
 果肉組織  果肉組織−顕微鏡像(10×10)  


3)サツマイモの皮

サツマイモの皮1   サツマイモの皮2  
サツマイモの皮は果物ナイフで擦るようにしてむくと、イモの食用部がつかず、皮だけがとれます。

「ビー玉+スマホ」では、細胞を何とか見ることができます。
細胞に含まれる赤紫色の色素アントシアニンがとても美しいです。
顕微鏡で観察すると、細胞はもっとはっきりと見えました。中身が抜けてしまった細胞もあります。
 皮の組織  皮の組織−顕微鏡像(10×10)  


動画
泳ぐミジンコ

 泳ぐミジンコ観察法
田んぼの土をとってきて水槽に入れ、そこに水を入れておきました。水は最初は濁っていましたが、数日後には濁りは沈んで透明になりミジンコが見つかりました。その後ミジンコは、次第に増えていきました。

この水を、ミジンコ数匹とともに透明なスプーンに入れ、「ビー玉+スマホ」の上にかざしてモニター画面を見てみました(左図)。ミジンコは速く泳ぎまわるので体の構造を見るのは無理でした。観察法の工夫が必要です。

しかし、泳ぐミジンコの動画を撮ることができYouTubeにアップしました。ここをクリックしてください→ 泳ぐミジンコ 


追記
・「直径12.5mmの無色透明なビー玉+スマホ」で、サイズの大きな細胞は見ることができました。
・ただし、ピント合わせが難しいです。プレパラ−トを手で持ってビー玉の上で上下させるのではなく、顕微鏡のようにネジで位置を調節できるような装置を工夫できないかと思いました。
・無色透明なビー玉はネット販売で買いましたが、普通の店では入手が難しいです。ビー玉のようにレンズとして使えて、容易に購入できる別のものを探してみようと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

[参考資料] Leye-スマホ顕微鏡(http://leye.jp/)


次へ 戻る
生物実験室目次へ HOME