第64号:2001年12月9日(日)

11月定例会の中間報告です


(↑この葉っぱは箱根のどうだんつつじです)
この議会もあと最終日一日(12日)を残すのみとなりました。
今号では、私の一般質問を中心に報告させていただきます。


今回の質問は
@みしまハートプラン(障害者計画)の改訂に向けて
A住民基本台帳ネットワークについて
の2つのテーマで行いました。

@の「みしまハートプランの改訂に向けて」は、停滞する障害者計画を
ここで心機一転し、「自己決定権の保障」へと向けた新たなプランづくりを促すのが
目的でした。小池市長をはじめ市当局は、現プランへの総括、プランの改訂の必要性
を答えました。また、こうした作業を計画策定のときのように、市民参加のワークショップ
形式で行うという考えを示しました。
Aの「住民基本台帳ネットワークについて」は、大きな問題でありながら市民の関心は
やや薄いのかもしれません。そういう意味では地味な問題です。それを、マッタリと
したタッチでやりましたが、質問者としてはちょっと辛いものもありました。小池市長は、
市民のプライバシーを守るということにおいて、住民基本台帳ネットワークシステムへの
オンライン結合について一定の懸念を示しました。が、「オンライン結合するときの原
則的な考え方」についてはやや答弁が弱かった感があります。でもそれ以上突っ込みま
せんでした。
この問題については「市と一緒に考えていく」というのが私の基本的なスタンスですから。



主なやりとり(要約です)
@の「みしまハートプランの改訂に向けて」
【栗原の質問】
三島市の障害者施策の総合的・基本的計画である「みしまハートプラン」を改訂する必要があるのではないか。なぜなら、現計画策定後、5年が経つが障害者施策をとりまく環境は大きく変わっているので、プランをそれに合わせさらに発展させる必要がある。また、プランの到達点や問題点などをよく総括したうえで、新たなプランに取り組む考えを伺う。
【小池市長の答弁】
ハートプランは策定後5年が経過し、環境は大きく変化した。社会福祉基礎構造改革も進展するなかでH15年度より「措置制度」から「利用者が自らの意志で自己決定する支援費制度」へ移行する。精神保健福祉法によりH14年度からホームヘルプなど精神障害者への地域生活支援サービスを実施するようになるなど、障害者をめぐる施策が大きく変わりつつある。国や県のあらたな障害者計画策定に向け準備を進めている。これらの方向が示されるなかでみしまハートプランの進捗や到達状況など総括し、改訂をしていきたい。
【栗原の質問】
改訂するとの答弁だが、前回は障害者当事者を中心に多くの市民が参加するワークショップを行った。今回の総括・新たなプラン策定の作業でも、このワークショップ形式を踏襲すべきと考えるがどうか。
重点項目の未達成が目立つ。総合福祉センターや乳幼児療育センターなどの箱ものは
財政的裏付けもないまま「重点項目」とされたことに問題があったのではないか。
【民生部長の答弁】
ワークショップ形式を考えていきたい。
あらたな課題についても検討していきたい。
「過大な計画があった」ということだが、見直しにあたっては現計画の状況を見極め、国・県の計画見直しや三島市第三次総合計画とも照らし合わせ検討していきたい。
【栗原の意見】・・答弁は求めず
ワークショップはコーディネイトが難しいので充分研究すべきだ。
新たなプランは「箱もの」(施設や建造物のこと)をつくるのではなく、機能やしくみをどう創るかということに豊かな議論が展開されるべきだ。また、福祉施策すべて行政が行うというのではなく、必要性を誰がどのように満たすのか、は社会福祉法人・NPO法人・ボランティア市民が共同でつくる福祉空間が模索されるべきではないか。また、一定の段階で質問したい。



主なやりとり(要約です)
Aの「住民基本台帳ネットワークについて」
【栗原の質問】
いま準備が進められている住民基本台帳ネットワークはプライバシー権が保障できないなど問題が大きい。日弁連の全国各自治体へのアンケート調査でも、多くの自治体が懸念していることが表れている。東京都杉並区をはじめ、自治体サイドの対応策が模索されてきた。三島市ではどのような対応策を考えているか。
【総務部長の答弁】
住基ネットはH14年8月からの稼働。第一次として住民コードの住民票への記載、市町村長から都道府県知事への「本人の確認情報」の通知、都道府県知事から指定情報処理機関への「本人の確認情報」の通知等がある。
H15年8月から二次稼動する事項として「住民票の写しの広域交付」、転入転出の特例処理、住民基本台帳カードの交付などがある。
ネットは住民の利便を増進するとともに国及び地方公共団体の行政の合理化に資するため、住民票コードをもとに市町村の区域を越えた住民基本台帳に関する事務の処理、及び国の機関等に対する本人確認情報の提供を行なうなめの体制を整備し、あわせて住民の本人確認情報を保護するための措置を講じることというような趣旨で全国一斉にスタートすることになっている。
三島市も準備作業を進めているが住民基本台帳法と個人情報保護条例との整合性をどのような形でとっていくのかということについては、三島市に限らず、他の自治体に於いてもその対応に苦慮しているのではないか。他市の動きも参考にしながら、対応を考えていきたい。また、ネットでの個人情報の保護については県の役割がたいへん重要になってくる、。県との連携を含め、市から県への個人情報の流れについて報告を受けることができるよう要望していきたい。
【栗原の質問】
住基ネットにあわせ「ICカード」の発行も計画されている。これについても「殆ど利用価値はない」という批判は多い。「ICカード」の利便性についての説明を求める。
【環境市民部長の答弁】
住民基本台帳カードの利活用について総務省は利用方法等研究会を設け検討してきた。その結果、利用方法については、証明発行関係、公共施設利用関係、保健医療福祉関係、の一般的な利用のほか市町村長の管理が及ぶ範囲において、公共施設の利用料の支払いなどが例示されている。
法律による利用方法は、住民票の広域交付と、転入事務の簡素化などのみとなっているが、その他は、条例で定め利用を図ることができる。
カードには住民コード、氏名、生年月日、性別、パスワードの情報が記録されるが氏名、住所、性別、生年月日、写真が掲載されることになるため印鑑登録証として利用できないことなど利用上の限界もある。
有効期限は一般的には10年。写真つきを希望する20歳未満のものの有効期限は5年。
満了後は再交付。市内部で検討委もうけ、検討していきたい。
【栗原の質問】
「ICカード」は法定されている利用では「住民票の広域交付」だけが「利便」。その程度の利便で1000円も出してカードを買う人がいるだろうか、大いに疑問。また、だからこそ「もっと便利に」といろんな活用がされようとすればするほど、今度はプライバシーの危険が高まる。とても困った問題だ。
【栗原の質問】
小池市長に、この住基ネット問題について基本的な考え方を問いたい。法律に基づき
住基ネットへのコンピュータのオンライン結合をするとしても、少なくとも市民のプライバシー権は三島市の個人情報保護条例で定めているレベルで保障される・・ということを前提とすべきではないか。
【小池市長の答弁】
「市民のプライバシーをいかに守るか」ということのなかで、三島市個人情報保護条例ができたが、住基ネットワークでは自己情報コントロール権の保障が及ばないのではなかろうかという心配が出てきた。
そういうことのなかで、「野放しにしていいのか」という栗原議員の質問であるが、私はやはり「野放し」にしてはならない。何らかの制限を加えることが必要だ。どういうふうな方策があるのかいま検討中である。例の東京都の杉並区の例などもある。新たにこのために条例をつくって保護している。他の地域に於いては、個人保護条例の中の一項目を加えると改正するとかかで対応している。どういう方法がいいか早急に検討させてほしいと考えているところだ。
【栗原の質問】
住基ネット、「来年8月から」というのは急がれすぎていまいか。
プライバシー保護という面において必要な理念、プライバシー権が保障される「仕組み」、セキュリティーなどの技術、技術に絶対は無いが。このような議論が充分になされず、
導入が図られている。法改正も議論不足である。市長はどう考えるか。
【小池市長の答弁】
来年8月、急ぎすぎと私も思う。いつも国は「急ぎすぎ」の法律をつくり、自治体におしつけてくる。いろんな問題点をあらいざらいし、対応を検討していきたい。
【まとめ・栗原の発言】
市長も住基ネットとプライバシー保護という問題bについて一定の心配をしていることはひしと感じる。
他市の状況をみる。それも必要だが、がよそを見てどうだからというのではなく、審議会の議論は当然必要だが市長として三島市にとって何が必要かを見極めるべきである。
「県への要望」だが、県は事務の多くを自治情報センターに委任をする。条例における字実施機関ではない主体がやることになるのここにも問題がある、。その点を踏まえるべきである。