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末摘花弐編(2)誹風柳樽は、川曳の滑稽にして呉浚軒の集冊也。予其巻にもれし恋句を人しれずここに竊りてものにし侍るに、終跋を世上へ末摘花とは名の立つ事にはなりにけらし。 安永五年盂秋
かみさまへ 忠臣だてて 下女させず 今夜ばかり よと女房 上になり させた朝 おまへ起きて 焚付けなよ ひとりでに 抜ける迄そう して置きな 片側に 抜き身置いて 夜盗する 気の毒さ へのこばかりに 脈があり 手も足も 離してしなと 下女は泣き よがる顔 みて乳母は こわいこわい 六番も されたほど嫁 くたびれる 毛をぬくと とんだ大きく 見えるなり 初ものは 十六本ほど 生えるなり 雪隠の 戸おさえ不義者 めつけた 雪隠へ ついてきて下女 口説かれる もてぬ奴 さわらぬ体で さわるなり もう一つ させてたもれと ゆり起こし いい男 してやろうかと 恩に着せ 書き賃は 晩にいくぞと 下女が文 是切で 済むは泣くなと 下女はされ 下女の屁を かぶった晩に 口説く也 新造は うつつのように 紙をとり 不取締な またぐらを 母あんじ 長つぼね 足を早めて よがるなり 長つぼね 四五本持って そねまれる してゆくは よくよく好きな 夜盗也 入婿は 下女と一緒に 追ン出され 口を酸く して女房を はらにのせ もっと大ごし にと亭主 下で云い 大きいが いいとも女房 云いかねる 見るは目の 毒女房の 寝相なり 暖めて 進ぜようと 婿は入り され損の 下女が出てきて ささはたき ちっとづつ 毎晩しなと 下女はいふ ざしき中 屏風が立つと うごくなり 仰向けに 寝ていて女房に へのこされ 女房に へのこをさせる 不しやう者 下にして 呉れなと女房 せつながり 浅漬の 石した奴が とってやり 閨中に 入ってめかけは 章魚になる お妾は たった四五寸 仕事なり 怖い下女 うそ腹帯を してゆすり 寝たとこを して入婿は くらわされ 孕まない 仕方があると くどくなり たこのまね するがお妾 上手なり 良薬を 用いた晩は なきわめき 正直に お七はへたと 申上ゲ 溜息を 一つして みす紙をとり ずいきは皆な かえと 女房たずね 大勢ぢゃ ござりませぬと 後家くどかれる 戻る | 次へ
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