酒の成せる業  その2
テーマ『酒で失敗した事』

 お酒というものは、味わうものであって、一気飲みはするものではないと私は思います。
なぜなら私は一気飲みで大きな失敗をしたことがあるからです。
 以前、高円寺のとある飲み屋さんで、数人の知り合いと飲んでいました。
ここは、非常に食べ物もおいしく、お酒の種類も豊富にあるので、私もついつい酒が進みます。
 知的な友人も多く、話も多彩で面白く、よそ見をしながらテーブルの上に置かれていた日本酒を、小さなコップで一気飲みをしていました。
 カパッ。
トクトクトク。
 カパッ。
トクトクトク。
 カパッ………
といったように。
 そんな感じで飲み続けてだいぶ酔っ払いはじめていた時です。
 カパッ。
(んっ!?)
 口の中に今まで飲んでいた酒の味と、まったく異なったものが広がりました。
 そう、私は間違えて日本酒ではなく、隣の人の
『ズブロッカ』という名前のウォッカを一気飲みしてしまったのです。
 40度強のアルコール分が烈火のごとく駆け巡り、大パニックとなりました。
 喉は焼け付くように熱くなり、その温度は徐々に胃の方へと移動していくのがわかりました。
おかげで(?)日本酒は嫌いになるわ、ズブロッカを飲むと拒否反応が出るようになるわで大変でした。
 とほほほほ………。


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