酒の成せる業  その4
テーマ(?)『ハブ酒』

 私も長いこと生きてきましたが、ついに奄美大島に上陸することになりました。
奄美といえば、テレビ版トラさんもそれによって命を落としたという生き物……
まんぐーす?

 そうそうマングースって猛毒が……あるんかい!!(怒)

 ええい毎度まいどナイスなボケを入れおってからに……
いえ、本当は『ハブ』です。
そのハブを焼酎につけたという幻のお酒『ハブ酒』を知人宅でいただきました。
 なんでもそのお宅のご主人が山に猟に入られたとき、川原でとぐろを巻いているのを銃で取り押さえて、腹を裂いて内臓を取り除き自ら作ったそうです。
 ちなみにそれは、昭和48年に作られたので、もう26年以上前のものでした。
だいたいおみあげ等で売られているものは1リットルで10000円程度します。
 ですからお店などで出されると1杯1000円以上になってしまいますね。
「これは飲むしかない……」
 同行していた灰谷嬢と一緒に早速いただくことに……
 部屋の奥の方から大事そうに広口ビンを持ってご主人が登場。
そのビンの中には、まごうことなきハブが一匹鎮座していました。
「うわぁ、本物だ」
 当然のことなのにそんなことで驚いたのは、その長さである。
ゆうに1メータは超えている。
 そのビンからかき氷のシロップをかけるようなおたまで、軽く一杯ずつグラスに注いでいただきました。
においは焼酎の物の他になんとなく『漢方薬』を思わせる独特のものです。
 度胸をきめて二人は口をつけると……
生臭いような味の後、一気に口の中にアルコール分が広がる……
 それがなんともいえずに結局、グラス内のお酒を飲み干してしまいました。
「よく飲めるねぇ」
「え? あまり飲まれないんですか?」
「いままで飲んだことないよ、それ」
「???」
「島の人は、ハブにいい思いがないからねぇ」
「……それだけですか?」
「ん? ああ、後ね……」
「あと?」
「強烈な精力剤なんだよ。夜飲むと大変なことになるからねぇ。はっはっは……」
「……先に言って下さいよ」
 すでに時計の針は、夜の11:30を過ぎようとしていた。
でも、ぐっすり眠れたけど…(つかれてた?)


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