「夢伐戦記」
ある日、すべての夢がかなった。
人間の心の中にある、すべての想念が実体化したのだ。
夢と幻想の時代、「夢幻代」のはじまりだった。
それは願うだけですべてがかなう、楽園の訪れだった。
だが人の中にある暗い願望や衝動が怪物となって暴れ回る、恐怖の時代の始まりでもあった。
小説家志望の男・神名暁(かむな あきら)は、エロマンガ家の見城リュウヤとともに、「幻想使い」として活躍し、人に害を為す夢「暴夢」を退治してして回っていた。いわゆるフィクションの書き手たちは、普通の人間よりうまく幻想を制御できるのだ。
その神名のもとに、ひとりの依頼人があらわれる。
天使と悪魔が永遠のハルマゲドンを続ける「最悪の幻夢郷」アメリカに行って、行方不明の父親を捜して欲しいというのだ。
神名と見城の冒険がはじまった。
想像力と業界ネタと萌え心を極限までぶちこんだ、アクションファンタジー巨編!
……すべての夢がかなうとき、あなたは本当に幸福ですか?
第1章「多重幻想都市」
第2章「二つの消え方」
第3章「幻想対話」
第4章「幻想大海戦」
第5章「脱出! 夢大陸」