Φなる・あぷろーち SS

 大進展!? 愛と波乱のスキー旅行  〜 共通パート Part.2 〜

                       震天 さん



 さて、午後も十分に滑ったし、そろそろ身体も冷えてきた。
 という事で、頃合を見てホテルに戻った。
 そしたら、既にみんな戻っていた。

  春希  : 戻ったか。
  涼   : うん。早いね、ハル。
  春希  : 俺たちも今戻ったところだ。

 その割にはコーヒー片手に雑誌とか読んでるぞ?
 ホントに今戻ったのか?

  百合佳 : それで、どうする涼君?
  涼   : どうするって?
  百合佳 : ほら、部屋割りってまだ決めてないでしょ? だから、春希さんと相
        談して決めたんだけど、食事の時にみんなで決めようって。
  涼   : あ、そういうことか。つまり、その食事までの時間、どうするかって
        ことか。
  西守歌 : でしたら、涼様。温泉に入りませんか? みなさん、身体が冷えてし
        まっている事ですし。
  涼   : みんなはそれで良いか?
  美紀  : さんせ〜。もう寒くって寒くって。
  笑穂  : 私もそうしてくれるとありがたい。
  涼   : 明鐘もあやめちゃんもそれで良いか?
  明鐘  : うん。
  あやめ : そうしましょう。

 満場一致で決定だな。
 そういやこのホテル、温泉も結構有名だったな。
 入らなきゃ損だし、良いだろ。

  涼   : ……。

 その前に、確認しなきゃいけないことがあったな。

  西守歌 : 涼様。私をそんな熱い視線でみつめないで下さい。
  涼   : 誰が熱い視線で見つめてるよ。バカな事言ってないで、今から俺の言
        う質問に答えろ。
  西守歌 : なんでもお聞きしてください♪ 私の趣味からスリーサイズまでお答
        えします♪
  涼   : そんな事聞かない。
  美紀  : 相変わらず、西守歌ちゃんに対してはどきっぱりというわね。
  涼   : ここの温泉、混浴じゃないよな?
  西守歌 : はい、残念ながら。あ、涼様がお望みでしたら、ここを混浴に改装し
        ましょうか?
  涼   : するな!

 一緒に入るのを回避するために確認したのに、そんなことされたらかなわん。
 でも、混浴じゃないなら安全か。

  百合佳 : それじゃ、とりあえず着替え取りにいこっか。
  西守歌 : 皆さん、浴衣は好きですか?
  美紀  : 好きって答えたらどうするつもりなの?
  西守歌 : もちろん、すぐにでも用意させていただきます。
  涼   : 既に用意してるんだろ?
  明鐘  : だったら、お言葉に甘えさせてもらおう。
  西守歌 : わかりました。では、春希様と涼様の分は後ほど脱衣所のほうに持っ
        て行かせます。女性の方の分は既にここにありますので。

 ……さっきまで何も持ってなかったよな?
 いつも持ち歩いてるのか? 6人分の浴衣。

  美紀  : ま、この際どこから出したのかは聞かないわ。
  あやめ : それより、早く入りましょ。
  涼   : そうだな。



 大浴場と露天風呂は繋がっているが、決して混浴というわけではない。
 それは一般男性からすれば残念な事かもしれないが、俺にとっては大変喜ばしい事だ。

  涼   : いやぁ、ここの温泉は俺の味方だよ。風呂くらいはゆっくり入りたいか
        らな。
  春希  : いつも世話をしてもらってるのではないのか?
  涼   : 冗談はやめてくれよ。あいつ、ハルの部屋に引っ越してきていきなり二
        つの部屋を繋げたんだぞ? これ以上、なんかやられたら敵わない。

 そう、冒頭では未だに同居してるように思われるかもしれないが、ハルが百合佳さんと
新居に引越し、俺たちの部屋の隣が空いたのをいいことに、あのバカはハルの部屋に引っ
越してきただけでは飽き足らず、壁をぶち破ってドアを取り付けて部屋を繋げやがった。
 父親から同棲だけは禁じられているにもかかわらず、同棲当然の生活をしている。
 結果、あいつは俺たちの部屋の合鍵を使わずに俺たちの部屋へ行き来している。

  春希  : いつでも夜這いをかけれるということか。
  涼   : ……。

 俺は夜這いなんかしないが、夜這いをされた事はあるぞ。
 悲しいから言いたくないけど。

  春希  : ま、既成事実を盾に取られるへまはするなよ。
  涼   : 人生の先輩としてもう少し役に立ちそうな事を言ってくれよ。

 ハルにそれを期待するほうが間違いなのはわかっているが、あいつを黙らせる手段くら
い教えてくれたら儲けだ。

  春希  : 益田家の人間の言葉を真に受けるな。
  涼   : は……?

 なんだか意味深な言葉を残しながら、浴場に行く。
 言葉を真に受けるな、か。

  涼   : まさか、入ったら本当は混浴だった、とか言うオチはないよな。

 浴場はちゃんと壁で仕切られているから混浴ではない。
 良かった……。

  涼   : 向こうは露天風呂か。
  明鐘  : にいさ〜ん! 入った〜?
  涼   : ああ。
  明鐘  : こっちは私たち以外誰も入ってないんだけど〜。

 ……こっちも俺とハル以外誰もいない。
 まさか……。

  涼   : おい、西守歌。まさか、お前……。
  西守歌 : はい。せっかくなんですから貸し切っちゃいました。エヘッ♪
  涼   : ……ハル、どうにか出来ない?
  春希  : さぁな。考えておこう。
  涼   : ……あっそ。

 ま、そこまでハルには期待してないけどさ。
 それでもやっぱり、希望は持ちたいし。

  春希  : さて、俺はそろそろ上がらせてもらおう。
  涼   : は? まだ5分位しか浸かってないぞ、ハル?
  春希  : 後でまた入る。
  涼   : でも……。
  春希  : ……。

 ハルの目が鋭く光った。

  涼   : ……なんでもないです……。
  春希  : 百合佳! お前もそろそろ一度上がれ。
  百合佳 : え? 春希さん? う、うん……。

 どういうことだろう?
 ハルだけが上がるならまだしも、百合佳さんまで一緒に上がらせるなんて……。
 ハルに限って百合佳さんといちゃつきたいっていう訳じゃないな。

  涼   : いつもの事ながらハルの考えてる事は全然わかんねぇ。
  美紀  : 涼〜! なんでハルさんたち上がっちゃったの〜!?
  涼   : 俺が知るわけないだろう!

 しかし、この広い温泉に俺一人っていうのも、なんだかなぁ……。

  笑穂  : 水原! 今、お前が考えている事を当ててやろうか?
  涼   : なんだ?
  笑穂  : この広い温泉に一人で浸かるのは複雑だ。どうだ?
  涼   : △。
  笑穂  : またか……。
  涼   : ま、たまには良いか、が続かないとダメだ。
  笑穂  : 良い線をついたと思ったんだがな。
  あやめ : でも、良くそこまでわかりますね。
  笑穂  : それくらいやらないと付き合いきれん。
  美紀  : 涼を筆頭にかなり変わった人間が多いからね。

 俺を筆頭にするな。
 するなら西守歌にしろ。
 あいつの非常識ぶりは全てを凌駕するぞ。
 ……あ、ハルがいたか。

  西守歌 : ところで涼様。やはり、お一人は寂しくありませんか?
  涼   : さぁな。
  西守歌 : 私はとても寂しいですわ。
  涼   : そりゃ良かったな。
  西守歌 : ということで、そちらへ行ってもよろしいでしょうか?
  涼   : よろしくない。
  明鐘  : 適当に流してるようで、ちゃんと否定してるし。
  西守歌 : では、壁をなくしましょう!
  涼   : 寝言は寝て言え。
  西守歌 : これでも寝言でしょうか?

 ゴゴゴゴゴゴッ!

  涼   : な、なんだ!? 地震か!?
  美紀  : ちょっと、なにしたの?

 美紀の言いようからして、西守歌が何かしでかしたようだ。
 ……そういや、さっき壁を無くすとか寝言じゃないとか言っていたような……。

  涼   : げっ! 壁が降りてきた……。

 その様子を見ていると、やっぱり、向こう側が見えてきた。

  西守歌 : 涼様、お久しぶりです♪

 お久しぶりじゃないだろうが、このやろう。
 あっちのメンバーも唖然としてるし。
 そんなメンバーのうち、真っ先に俺の目に入ったのは……。


・西守歌
・明鐘
・お嬢
・美紀
・あやめ

                                 Please Select !!!


うむ。西守歌パワーがすごい。(笑
やっぱり我が侭娘ですよ、お我が侭娘っ!
そんなわけで、私は断然西守歌擁護派です。(ぉ

<<comment by けもりん>>


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