2日目
７月２７日 午前９：００
さわやかに目覚めるが、表を見たら見事な雨が降っている。
こんな状態で海に入って泳ぐことは難しいとのことで、泳ぎに行くのはあきらめることにする。
たまたまテレビでやっていた天気予報を見ると、
「奄美大島南西に台風６号が……」
と言っていたが、まだ遠かったのでひと安心。
ただ何もしないのは退屈なので、奄美大島を観光することにして、朝食を食べる。
午前１０：３０
昨日泳いだ大浜海浜公園横にある水族館を見学をしに出発。
早速入場すると目の前に大水槽が現れびっくりする。中には、海ガメやらコバンザメが泳ぎまわっている。
「うわ、何でもありだね……」（めいゆ）
二階に上がると奄美大島に関するビデオ上映が始まっていたので、みることに。
「こういうのをみちゃうと、スキューバーのライセンスが欲しくなる……」（Ｆ山さん）
との感想が出るくらい素晴らしい映像をみた後に、館内をぶらぶらしていると、なにか面白そうなコーナーを私は見つける。
『海の生き物に触ってみよう！』というコーナーで、小さな水槽の中にはヒトデ・ナマコ・ヒトデ・ナマコ……
ええい、形が違うだけでみんないっしょじゃあ！
灰谷はそのうちのひとつ星ヒトデをつっついて大喜びしはじめたので、
「じゃ、おもいっきてナマコもいってみよう！」
とどこぞの写真家みたいなことを言って触らせることにする。
最初は面白がってつっついているが、いまいち面白みにかけたので、
「じゃ、今度は持ち上げてみよう！」とのコールを入れる。
灰谷は意外とお調子者なので、足のない軟体動物が大っ嫌いのくせに、おもいっきり掴み上げるではないか！
「あああああああああ！！」
灰谷は涙目でこちらを見ていたので、思わずカメラを向けてパチリ。
悲劇はその後に起こった。
「ナーマーコーがぁぁぁぁぁ！！」
と悲鳴にも似た灰谷の絶叫がしたので良く見てみると見事にナマコが倍以上伸びて、灰谷のこぶしから垂れ下がっている。
やっとのことで灰谷はそれを水槽に戻すと、
「次はめいゆの番だー！」
といいながらナマコを指差す。
そこで私はにっこりと笑いながら、
「ぜぇってぇさわらねえ！！」
と答えることで大ヒンシュクを買うが、触らずに済む。
その後、灰谷は懲りずにアカウミガメの赤ちゃんに指を出し見事に餌と間違われるという微笑ましいエピソードを繰り広げてくれ、一同の笑い者に。
後は普通の展示物で、こういった面白みにはかけるが、なかなか目の保養になる所だと思う。
そんなこんなで時間もだいぶ経過していたので、そのまま近くの『海の家』で昼食を取る。
（しょせん『海の家』だろうからなぁ……）
と私はあなどっていたが、予想以上にメニューが豊富（全部で３０品程度）で驚く。
「関東の『海の家』も見習って欲しいね」（めいゆ）
思わず口にした言葉だが、ここが島であることを考慮に入れたら正当な意見だと思う。
そんなことを思いながら昼食を食べる我々だった……。
午後４：００
奄美の代表的染め物『藍染め』に挑戦する。
やり方は簡単で、自分でデザインしたＴシャツの図柄の中で染めない部分を輪ゴムで巻き、藍染料の入った壺にそれらを５回程度馴染ませるようにしてくぐらせる。
この作業は、当然染料の中に腕をつけなければならず、カメラ撮影をしていた私は自分では出来ないので、代理で灰谷に染めてもらう。
最初はよかったのだが、２回目の処理が終わった直後灰谷が、
「あっ！」
と声を上げたのでそちらに目をやると、手元にＴシャツの固まりがひとつしか見えない。
「……まさか……」
私が歩み寄ると灰谷は、ケロッとした顔で、
「ごめん、落とした。いや浮くと思ったんだけどさあ……」
としれっと言ってのけやがる。
（人のＴシャツで『実験』 しやがったな）
私は思わず、カメラバックでローリングアタックをかます。
その後、藍染めの壺の『底さらい』を二人でする羽目になる。
結果的にそれが功を奏したのか、私達のＴシャツもきれいに染め終わったのであった……。
午後５：３０
Ｆ山さんの実家に再び戻ってくると『さつまいももち』なる物をおやつとしてもらって食べる。
甘くてとてもおいしい物なので、見かけたら購入するように自分に心がける。
しばらくしてＦ山さんの従姉妹にあたるM子さん（仮名）がいらっしゃって（健康的な日焼けをしている活発そうな女性でした）と、みんなで名瀬市内に飲みに行く。
すると我々は市内で『氷の販売機』なる物を発見し感動するが、ご当地は当たり前のようにあちこちに点在しているので、そのギャップにとても驚く。
ほどなくして『むちゃかな』（現地訳は『かなさん』などの人の呼称）に到着。
ご当地料理をつまみにたらふく焼酎をいただき、かなり酔っぱらう。
午後９：００
酒を飲んだしめに『らーめん』を食べることにして、中華屋に入る。
ラーメン（特に塩）が絶品の店だったが、餃子が何故か『イワシ臭い』（青身魚の味）……どこかで食べたことがある『煮干しラーメン』を彷彿とさせ、私の箸が見事に止まる。
でも、きちんと平らげてから帰宅する。
帰宅後ほとんどきのみきのままの格好で、天気の回復を祈りながら眠る。
明日こそきれいに晴れてくれるといいのだが……
３日目に続く