楽園迷宮

 
ぼくは知らなかった。ぼくは知らなかったんだ。
 世界が、この大銀河が、こんなにも多くの悲しみで、そして矛盾で満ちているなんて。
 ぼくは知らなかった。何も知らなかったんだ。
 ひとつの正義が、こんなにも多くの罪を生み出すなんて。
 それどころか、いちばん大切なことさえ知らなかったんだ。
 自分だって同じなんだ、ということに。
 でも、ぼくは今でも思い出す。
 放っておけない、許せない、世界を楽園に変えたい、そう感じた日のことを。
 ぼくはいまでも思い出す。
 心のままに、決意のままに、走り出したあの日のことを。

 序章「何にもしらなかったんだ」
 第1章「ほんとうにたすけてくれるの?」
 第2章「ぼくはあきらめない」
 第3章「やってみるがいい」
 第4章「ぼくの目的は、楽園を築くこと」
 第5章「今はお休み下さい」
 第6章「輝くような笑顔で」
 第7章「すべての罪を」
 終章「君がきっと楽園に」

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