仏像彫刻展(第23回)
十一面観音 弥勒菩薩など

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三賞 佳作賞 奨励賞 講師作品 その他優秀作品とハイライト

2014年度仏像彫刻のテーマ やすらぎの表情 奨励賞


受賞作品発表展2014年9/23〜9/28(船橋スクエア21)


奨励賞

向源寺の十一面観音像

(中級科) 小早川 重也
 三年七か月前、東日本大震災の一か月後、教室で先輩が、向源寺の十一面観音を彫っているのを見て、その姿に感銘を受けました。いつか自分も、何年か先に挑戦したいと思い、資料集めを開始、思考錯誤の末、平成25年3月に1体目が完成しましたが、不満の残る出来映えでした。心機一転、もう一度チャレンジ・・・・・2体目に挑戦し一体目を参考にして、なんとか形になり、展示会に出展できましたが、難しい挑戦でした。


仏像事典 向源寺の十一面観音
奨励賞
   

六地蔵


引地 義広作(中級科)
 第23回瑞雲流仏像彫刻展で六地蔵微笑仏が賞を頂き有り難うございます。頭でっかちのアート仏で、大変彫りやすいということで気楽な気持ちで始めましたが笑い顔の中に地蔵様の表情を出すのが大変難しかったです。ヒバ材はとても柔らかく仕上げの時彫刻刀が切れないと表面が白くなります。1体仕上げるのに2〜3回彫刻刀を研いで仕上げました。
 

仏像事典 六地蔵
 奨励賞  
   

弥勒菩薩像


元橋律子作(中級科)
 この度は初めての出品でしたが、嬉しくも恥ずかしくもありというのが本音です。先生方、皆様方の繊細な技術の高さにただ圧倒されるばかりでした。年々腕や手先に力がなくなり鋸や粗彫りに悪戦苦闘ですが弥勒菩薩像の受賞を励みにマイペースで精進して参ります。


仏像事典 弥勒菩薩像
 奨励賞  
   

恵比寿大黒


安藤志津枝作(初級科)
 仏像彫刻を始めて2年が経ちました。それなりに形になっていき楽しさを感じておりました。ところが立像に入ってから全体のバランスをとれなかったり彫刻刀がうまく切れなかったりとスランプ状態でしたが、そんなおり一つ前の作品で賞を頂くことができまして大変励みになりました。そして、いつも丁寧なご指導をして下さる先生。親身にアドバイスして下さる先輩方により、もっと上手になりたいという気持ちが芽生えてまいりました。

仏像事典 恵比寿大黒

空海の業績を知ろう
仏師瑞雲

弘法大師空海と木彫仏の関係

 弘法大師空海は京都東寺を嵯峨天皇から賜り東寺の講堂に真言密教を立体曼荼羅にした仏像群を造りまして現在に至っています。特筆すべきことは、それらの仏像は全部木彫で出来ているということです。奈良時代までは金銅仏、乾漆仏、塑像など種類が多かったですが平安時代に至り木彫仏が主流となりました。
 これは、日本が良質の木材に恵まれていた事にもよりますが、「木は元々、神の宿る聖なるもの」という考えと仏教が結びついた、神仏習合したことをも意味します。京都東寺と高野山の二大密教根拠地を基盤に大発展した真言密教と木彫仏は深い縁があるのですね。
 ところで今の東寺第256世長者である日本書家連盟顧問の砂原秀遍さんは、若い頃から苦労して今日を築いたお坊さんですが東寺の物置で拾った古文書に興味を持ち「書」の勉強を始められたそうです。寺務が終わってから毎日夜2時頃まで書を書く勉強を10年続けられたそうです。砂原秀遍さんは書をしたためることにより自分というものを知り書と共に生きてこられたのですね。
 皆さんは、縁があって木と対峙する木彫の道を歩まれています。砂原さんが「一歩ずつ
歩めば、自らの心に気づく」(一個人 2015年1月号 KKベストセラーズ)と言われるように仏像彫刻の道を一歩ずつ前進して木彫の技を体得し自分の尊さを発見しましょう。



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